人魚姫

人魚姫

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

この写真はジュゴンで、人魚のモデルと言われています。上半身が人間の女性で下半身が魚や海獣の姿を持つものが人魚とされていますが、ジュゴンは美しい人魚というより、愛嬌のある人魚というイメージがあるような気がします。顔が可愛らしいですね。

人魚と言えば、Coccoさんの「♪だけど飛魚のアーチをくぐって宝島が見えるころ 何も失わずに同じでいられると思う? 人は弱いものよ とても弱いものよ♪」という歌詞を思い出します。人は弱く儚く強いものというメッセージが込められたこの歌は、特に人魚のことを歌っているわけではないのですが、アンデルセンの童話で声を失い泡となって消えてしまった人魚姫を彷彿とさせます。

この人魚姫の物語に発想を得たグループワークがあります。私も研修会の講師を務める際に、このワークをすることがあります。目的は、人それぞれのものの考え方や価値観に気づきながら、お互いの理解を深めていくというものです。5人の登場人物についてまずは各自で「好き」「嫌い」の順位をつけ、その後にグループで話し合って、グループとしての順位づけをするというワークです。このワークをすると、100人いれば100通りのものの考え方や価値観があることがよくわかります。

物語を簡単にご紹介します。嵐で難破した王子を人魚姫が助けますが、そこを通りかかった若い娘に助けられたと王子は勘違いします。人魚姫は王子への恋心から、魔女に人間にしてほしいと頼みます。声と引き換えに脚をあげるが王子が他の娘と結婚したら泡となって消えてしまうという条件を受け入れ、人魚姫は人間になります。人魚姫は声が出ないので王子に思いを告げられず、王子は自分を助けてくれた若い娘と結婚することになります。結婚式の前の晩に、人魚姫の姉がナイフで王子を刺せば命が助かるとナイフを手渡ししますが、人魚姫は王子への愛から自ら海に身を投げ、泡となって消えてしまうという物語です。

さて、あなたは人魚姫、姉の人魚、王子、魔女、若い娘(花嫁)の誰に好感を持ちますか?

年齢や性別によっても倫理観が異なりますので、好感度はそれぞれですが、女性は人魚姫に感情移入しやすく、王子や若い娘に対して厳しい目を向ける傾向があるかもしれません。また、魔女ではなく天使が条件を出していたら、そのイメージも変わってくるものです。私たちが言葉や行為から受けるイメージは、これまでの自分自身の知識や経験に規定されていることが多いことに気づく面白いワークです。日頃どのように物事をジャッジしているかを見直してみると、新たな気づきが得られるかもしれませんね。

with k 4E