豊かな生き方

豊かな生き方

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

久しぶりに地球温暖化をテーマにしたNHKスペシャルをテレビで見ました。このままいくと早ければ2030年にも、地球の平均気温は臨界点に達するといわれていて、それを超えていくと、温暖化を加速させる現象が連鎖して暴走を始める可能性があるという内容でした。

私たち人類は、コロナ禍のような疫病にたびたび苦しめられてきました。そのたびに世の中が変化していきました。紀元前のローマ帝国では疫病の救済を求める人たちに避難場所を提供し続けたキリスト教がヨーロッパを席巻しますが、古代ギリシャの学問を生かしてイスラム文化圏で発展したアラビア科学(天文学・数学・地理学・光学・錬金術・医学)は、疫病は科学が救済するという宗教と科学を独立させていく発端になりました。そして、この科学技術の進歩によって、資本主義社会が生まれ、経済が発展することに重きが置かれていくことになります。疫病は常に時代のターニングポイントになってきたようです。

経済が発展すれば、人々の暮らしは豊かになるという考えがあります。社会が大きくなり、お金がたくさん循環し、上昇的に変化することを良しとする価値観です。ここから、どんどんどんどん石炭や石油を燃やし、物質的に豊かになる世の中を作り上げてきました。その一方で、炭素が大量に放出された地球は悲鳴を上げ続けてきました。全国地球温暖化防止活動推進センターの調査では、この30年間で100万㎢に相当する面積の北極の海氷が融けたと報告されているようです。

発達心理学では、人間のライフサイクル(生涯発達)を放物線(Ωのような形)を使って説明する時があります。左端が誕生、上昇的変化をするのが青年期、下降的変化をするのが中年・老年期、右端が死ですね。以前の発達心理学は上昇的変化をする出生から青年期までがメインテーマになってきましたが、現在は死までが発達であるとされています。発達が死までを扱うようになり、いかに人生という山を下りていくのかが課題とされている昨今、経済もいかに下りていくのかを考える時に来ているのかもしれません。

そういえば、このお正月にオスカー・ワイルドの『サロメ』を読みました。そのワイルドの作品に『幸福の王子』があります。地位も名誉も兼ね備えていた幸福の王子は、亡くなってから宝石と金箔で飾られた豪華な像となりました。王子は、町の貧困を知って悲しみ、ツバメに自分の宝石や金箔を貧しい人たちに渡してほしいと頼みました。ツバメはすべての宝石や金箔を貧しい人たちに届け死んでしまいます。そしてツバメの死を知った王子の鉛の心臓も壊れ、みすぼらしくなった王子の像は捨てられてしまったという物語です。

宝石や金箔を持っている生き方と、慈しみの心を持っている生き方、どちらが豊かな生き方なのでしょうか。All that glitters is not gold.(光るものすべて金ならず)という英語のことわざがあります。輝くものすべてに価値があるわけではないという意味なのですが、私たちが目指してきた金を生み出すような高度な科学技術(錬金術)を、今まさに地球を守るために使うことが求められているような気がします。そして、経済よりも地球や人類を慈しむ心を持って、この問題に一人ひとりが取り組む必要があるのかもしれないと思っています。

そんなことを考えながら、このコロナ禍を境に、今年からはなるべく物を持たないミニマルな生き方をしていこうと心に決めました。断捨離!断捨離!必要のないものは惜しげもなく手放し、常に快適なスペースを確保する心地よい生活を心がけたいと思います、慈しみの心を持って。そうすれば、少しは地球の役に立てるかな~。

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