オンラインカウンセリングのカナムーンです。

原始の海は、大気中の水蒸気が大雨となって地上にふりそそぐことで生まれたと言われています。そしてさまざまな物質によって化学反応をおこし、最初に菌のような生物が生まれました。やがて海藻類が生まれ、光合成を行って酸素を大気中に放ち、陸上でも生命が生きていけるようになり、4億2,000万年前に植物が海から陸にあがり、生息し始めたようです。そして昆虫やひれをもつ魚類などが陸上に住み始め、進化を続け、今に至るのでしょうか。

私たち人間の身体を構成するおもな元素の組成は、海水の組成とよく似ているようで、ことに羊水は海水とほとんど同じです。ヘッケルの反復説では「個体発生は系統発生を繰り返す」と生物発生原則を述べていますが、私たち人間は母親の胎内で、人類の進化を辿るように細胞分裂を繰り返し、現在の人間の特徴を備えていきます。本当に不思議なことですね。

私は、発達障がいをお持ちのお子さんたちの発達支援も行っています。発達障がいとは、脳の発達のタイプが異なることで、健常の方とは違った発達の過程を辿り、自閉スペクトラム症(以下、ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(SLD)などを含む幅広い概念を指します。発達の特性を持つことで、独特な体験世界を有することが多く、その体験世界をいかに理解するかが支援のポイントにもなります。

ASDの東田直樹さんは著書の中で、「自閉症者は古代の感覚、原始的感覚を生まれながらに持っている現代人なのだ」、「生物が生まれて進化して、なぜ陸に上がって来たのか、人になって時間に追われる生活をどうして選んだのか、僕にはわかりません。水の中にいれば、静かで自由で幸せです」とおっしゃっています。これは、東田さんの体験世界ですので、全てのASDの方に当てはまるわけではありませんが、この感性の豊かさは美しいとさえ感じます。

私たちの社会がAIに取って代わられるかもしれない今だからこそ、ART(アート:the use of the imagination to express ideas or feelings)アイデアや感情を表現するイマジネーションをいかに大切に暮らしていくかが問われているような気がしています。発達障がいをお持ちのお子さんの支援を行っていると、そのイマジネーションがおもしろいので、一緒にいてとても楽しいです。

みなさんも自由なイマジネーションの世界をお持ちだと思います。その体験世界を大切になさってください。その中にあなた独自の幸せな生き方のヒントが隠されているかもしれませんよ。

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