秘仏

秘仏

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

秋になり、ほっつき歩く機会が増えました。旅行には最適の季節です。ネットニュースで秘仏を見ることができることを知り、滋賀県まで足を伸ばしました。十月十一日に、石馬寺の十一面千手観世音菩薩立像(写真)と瓦屋禅寺の十一面千手千眼観世音菩薩立像を見るためです。十一日に十一面の菩薩さま……。何だか霊験あらたかでしょ。

二つのお寺は聖徳太子ゆかりのお寺です。そして今年は聖徳太子1,400年御遠忌(ごおんき)にあたります。御遠忌というのは仏教の世界で、その宗派の開祖から歴代有力上人たちの百年以上経ったあとの年忌で、五十年毎に一度行われる大きな法要です。聖徳太子が亡くなられてから1,400年経つのですね。

石馬寺は、聖徳太子が「霊地は近江国にある」と占い、きぬがさ山の松の樹につないだ聖徳太子の馬が石になった寺ということで、石馬寺という名前がつけられたという謂われのあるお寺です。秘仏の十一面千手観世音菩薩立像は、聖徳太子作という江戸時代の記録があり、立像のその両側には十七条憲法の掛け軸が掛けられていました。68年ぶりのご開帳です。

瓦屋禅寺は、聖徳太子が山中の土を用いて瓦106,000枚以上を造らせて、摂津(大阪)の四天王寺建立の際に、その瓦を用いたのが寺名の由来となっています。秘仏の十一面千手千眼観世音菩薩立像は、寺伝では聖徳太子作とされています。この秘仏の次のご開帳は33年後ということですので、きっと私が生きている間にはもう見ることができないだろうと思います。

2つのお寺の2つの十一面千手の観世音菩薩立像は、本当に美しい菩薩さまでした。石馬寺の菩薩さまは少し小さくまた暗い場所にあったので、双眼鏡を覗いてやっとそのお姿を拝見できるほどでしたが、瓦屋禅寺の菩薩さまは、きらびやかに輝き、頭の十一面、それからビスケットのように見える手が体の両脇にびっしり掘られた千手に、一つひとつ目がついているのです。それはそれは見事な菩薩さまでした。

生きている間にあと何体秘仏を拝むことができるでしょうか。1,400年以上に及ぶ長い長い時を経て、私の目に留めることができる幸せを感じながら、「みなの魂が幸せでありますように」と心から祈りました。「聖徳太子さま、和を以て貴しとなすことをみなが実行できますように」「みなが相手を尊重しあい、認め合って、愛と調和を尊いものとすることができますように」聖徳太子さまにこの願いは届いたかなあ。届くといいなあ。

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