teaching materials

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オンラインカウンセリングのカナムーンです。

現在、私が業務執行理事を務めている社会福祉法人は、発達の特性を持つお子さんへの発達専門機関です。今の困りごとの解決や、将来の自立・社会参加を、お子さんの状態や特性に応じて、本人やご家族とともに考え、支援を行っています。そこでは、発達特性に応じた個別療育(治療と教育)を主に実施していて、一人ひとりのお子さんに合わせた発達支援の日々のプログラムを作っています。その際に必要になるのが、教材です。

教材と一口に言っても、その種類はさまざまです。生活習慣、運動・動作、言葉、あそび、自己表現、コミュニケーション、創作活動、学習など、それぞれの領域に合わせた教材を準備しなければなりません。そして、その教材はお子さんの発達特性によって、使用する目的が異なってきます。

たとえば、乳幼児期に実施する新版K式発達検査がありますが、この検査はまずお子さんに積木を積んでもらうことから始めます。いくつ積木を積めるかで、どの程度の発達段階なのかの見通しを立てながら、検査をすすめていくのです。保健所が実施する1才半健診や3才半健診でも積木を積むという検査を実施しますが、この検査は基本中の基本なのですね。

この積木を積むという動作ですが、ただ単に積木が積めるかどうかを測っているわけではありません。積木が見えているか、見えている距離にある積木に手を伸ばせるか(目と手の協応)、積木を体に引き寄せるのか体を積木に寄せていくのか、積木をつかむことができるのか、積木を使って遊ぶのか、積木が積めることをわかっているのか、1つ積むようにしてこわすのか、1つ積んでもう1つ積むという1次元的な積み方ができるのか、積み変えたり積み直したり積み重ねたりという試行錯誤ができるのか、2つ積んで積み方を調整できるのか、「~ではない~だ」という心の中でのバランス調整ができるのか(1次元可逆操作)など、さまざま側面を見ながら、今目の前にいるお子さんがどの発達段階にいるのかを理解していくのです。そして、その発達段階に合わせた教材を使って療育をすることによって、そのお子さんの潜在的な可能性を伸ばしていきます。

このように簡単に説明していますが、療育者からすると、どのような教材を準備すればいいのかが難しいのです。それを少しでも解決しようと、前出の法人では教材検討チームを作り、発達段階を理解できる樹形図のような視覚的にわかりやすい体系図を作成して、これができればこちらに進む、これができなければこちらに戻るというYES/NOチャートを完成させようと動き始めました。そして、教材を使用する目安の発達段階とその目的や着眼点を明確に視覚化しようという壮大な(笑)プロジェクトを開始したのです。必要であれば、新たな教材開発をするかも・・・。私はそのチームのとりまとめを行っていますので、日々教材のことを考えている今日この頃です。かなりの時間を要しますが、完成したら改めてご紹介したいと思います。楽しみにしていてくださいね。

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