ひまわり

ひまわり

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

もうすぐ夏も終わりますね。暦の上ではもう秋かな。この微妙な時期にひまわりの写真を使っておこうと思って、今回のテーマは「ひまわり」にしました。

ひまわりと言えば、京都府警察本部が実施している「ひまわりの絆プロジェクト」があります。平成23年11月に交通事故で亡くなった東陽大(アズマハルト)君 (当時4歳)は、生前、幼稚園でひまわりを育てていました。ご両親はハルくんが生きた証を残したいと願い、そのひまわりの種を警察官に託されました。平成27年には京都府内の警察署、幼稚園、保育園、小中高校、指定自動車教習所、各地域等で、平成28年以降は京都府内だけでなく全国各地で大輪の花を咲かせました。

私も平成29年だったと思いますが、ハルくんのひまわりの種をもらい、プランターに植えましたが、申し訳のないことに花を咲かせることができませんでした。「ハルくん、ごめんね。おばちゃんは花を咲かせられなかった。」とお空に向かって謝ったことがありました。情けないことです。

ひまわりは花が大きいので、種もたくさんとれます。花が終わって一か月ほど経つと、下を向いた花は、黒い種をいっぱい実らせます。この様子を見た当時99才の日本画家の堀文子さんは「大地を見つめる顔は敗北ではなく、そのやせた姿にも解脱(ゲダツ)の風格があった。その顔一杯の種は、次の生命を宿し充実していた。死が生涯の華々しい収穫の時だという事を、ひまわりから学んだあの日を私は忘れない。」と述べています。

私は堀文子さんのひまわりの黒い種をイメージした時に、玄冬という言葉が浮かびました。

陰陽五行説に色合いを組み合わせたものに、青春・朱夏・白秋・玄冬があります。玄冬は生涯において最後の時期(老年期)を表し、黒色の冬に当たります。秋に散った葉っぱが、冬になって地上で枯れ果てて黒くなり、それが肥やしとなっていきます。そして春になると、そこから新しい草木の芽が出てきます。人間も同様で、老年期には自分の生き様を、次の世代に残していきます。いのちの循環ですね。

4才でこの世を去ったハルくんのひまわりの種と、99才でひまわりの種を見て死を思う堀文子さん。死は終わりではなく、次の生命の始まりであり、いのちの繋がりであることを、二人のひまわりは伝えてくれているような気がします。

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