行動の切り替え

行動の切り替え

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

昨日は発達障がいのお子さんをお持ちのご家族の会がありました。私はそこでファシリテーターをしています。昨日は「行動の切り替えが難しい時にはどうしたらいい?」というテーマで分かち合いを行いました。

発達の特性をお持ちのお子さんの中には、行動の切り替えが難しいお子さんがいらっしゃいます。その原因としては、見通しを立てるのが苦手、感情のコントロールが苦手、環境の変化や急なスケジュール変更が苦手などが考えられます。また、原因は1つだけでなく、複数の要因が絡まり合っていることがありますから、何が原因になっているのかを見極める必要があります。

これらの苦手さの背景にある要因として、過去の記憶の中や今起きていることから、あらゆる情報をまとめあげ、経験したことの意味を理解し、将来何が起こりうるかを予測して、計画を立てる能力が十分でないことが考えられます。内的な構造化ができていないということですね。また、時間と空間の認識に特徴がある場合もあります。

時間においては、時が流れることを理解したり、時の流れと物事の経過を結びつけることが困難なことがあります。未来はいずれ現在になるということの理解が遅かったり、時間は見えないし触ることができないので、実感できないという不自由さがあります。

空間については、物の境界や関係を理解することに困難を抱えていることがあるので、実際に目に見える線があったりしたほうがわかりやすい場合があります。また、幼少期や重度の人は自分のからだの部分にも混乱があったりします。

日本の家庭や学校では、一つの部屋でさまざまな活動を行います。テレビのある部屋で食事をしたり、勉強したり、布団を敷いて寝たりなど時間も空間も手順も定まっていません。これは保育園や幼稚園でも同様で、一つの部屋でさまざまな活動が時間を追って行われています。これは行動の切り替えの難しいお子さんにとっては、非常にわかりにくい環境の中に身を置いていることに他なりません。

このような特徴があるので、時間・空間・手順をイラストや写真などの視覚情報として提示したり、わかりやすく行動しやすい環境を整える必要があります。そうすると、事前に見通しが立てやすくなります。さらに、行動を切り替える前に予告をして、気持ちを切り替える準備時間を作ることで、感情のコントロールも少しずつできるようになっていきます。是非、支援者の方は環境調整をすることで適切な支援を行う工夫をしていただければと思います。

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