陶芸空間 虹の泉

陶芸空間 虹の泉

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

写真は、三重県飯高町にある『陶芸空間 虹の泉』です。東健次(アズマ ケンジ)さんが、35年の年月をかけ、作り続けた陶芸空間です。2013年に東さんは74歳で他界されましたので、残念ながら未完の大作のまま現在に至っています。

私が初めてここを訪れたのは、10年以上前のことだったと思います。今回は3回目の訪問なのですが、初めて東さんの奥さまとお会いすることができました。明るく快活な印象の方で、午後からは植林をするとおっしゃっていました。

『陶芸空間 虹の泉』は、東さんがセイロンのジャングルで神様に陶アートスペースを作るように告げられてから、それを実現するための場所を探すために地球を一周し、最終的には幼少時代を過ごした三重県飯高町に創作されました。

この陶芸空間は、紺碧の海面で戯れて遊んでいた光の子どもたちが、一瞬にして焼き物の上を次々に飛び移っていくイメージを具現化したもののようです。もしかしたら東さんの精神世界が、闇のなかにいきいきとこの世界を映し出したのかもしれません。

最初に中央の大陶壁が完成しました。1978年のことでした。大陶壁の中央から右には大きな虹がかかっています。虹は天と地をつなぐもので、希望を感じさせるものです。ギリシャ神話にはイリスという虹の女神が登場しますが、ここには“イリスの壁”という、製陶板運動に参加した人の名前や記念日が刻まれた1万枚以上の陶板作品が並んでいます。

そして、大陶壁の手前には泉があります。その泉には水はありませんが、東さんはその理由を次のように述べています。「泉に水はなくても、陶芸空間を訪れた人々を、何らかの作用で新しい気持ちにさせ、元気づける場所になるならば、意味深いものになると思えるのです…。人の魂を潤す事の出来る、渇く事のない泉を造りたいと思います(スケッチマップより)。」と。

奥さまが東さんにどうしてここを造ろうと思ったのかと聞いたことがあったようです。東さんは、「これは人類に捧げる花束だよ」と答えたそうです。まさに、『陶芸空間 虹の泉』は私たちに捧げられた花束だと思います。ここに来るとさまざまなメッセージを受け取ることができます。きっと、東さんが今でもここで私たちを元気づけてくれているような気がします。

是非、みなさんも『陶芸空間 虹の泉』に足を運んでみてください。そして、生身のからだで東さんからの花束を受け取ってみてください。

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