生まれるということ

生まれるということ

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

前回のブログで少し触れました「人間として生まれるということ」についてお話ししたいと思います。

仏教では、輪廻転生という何度も繰り返し生まれ変わるという思想において、このひろ~い宇宙の中で人間として生まれるということは、有ることが難しいというほど、めったにないことなのかもしれません。だからこそ人間として生まれることは「ありがたい」のだと思います。但し、一概に感謝の念を持つ「ありがとう」とは言い切れない側面もあります。

アメリカの心理学者であるロロメイが、生まれることの3つの不自由について説明しています。それは子どもが①自分の「生」を選べない、②自分の「性」を選べない、③自分の「親」を選べないという不自由な選択をして人間として生まれるということです。子どもは親の意思によって生まされる現実があり、そこに子どもの意思は介在しません。また、身体的性差はあらかじめ与えられています。さらに、いくら不都合な親であっても、子どもに親を選ぶ自由はありません。虐待をする親の元に生まれれば、ただそれを甘んじて受けるしかないという事実があります。このように、子どもはただ与えられたまま、受け入れるしかない受け身の選択の中で生まれてきます。にもかかわらず思春期・青年期になると「さあ、自分探しをしなさい」と放り出され、能動的に自分と向き合わざるを得ないしんどさを抱えることになります。

このように考えると、人間として生まれるということは、ただ「ありがとう」とばかり言っていられるわけではなく、結構苦しいことも多いのです。

でも、私はまわりにいる人たちの存在に支えられて生きていますので、その人たちが人間としてこの世に生まれてきてくれたことに、やはり心から感謝したいと思います。

あなたの存在に支えられ、心の中にはいつもあなたがいます。離れていても、それぞれの場所で元気に頑張ってくれていることに勇気づけられています。そんなあなたに出会えたことに「ありがとう」と伝えたい。あなたがこの世に生まれ、存在していることに感謝します。だから、あなたが生まれてきた日を心からお祝いしたいと思います。

私を支えてくれているみなさんに伝えたい。これからkanamoonを通して出会うみなさんにも。「お誕生日おめでとう。そして、ありがとう。これからもよろしくね」と。みなさんも大切な人たちに是非伝えて下さいね。