身体表現

身体表現

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

このブログを書くようになってから、過去のことを思い出すことが増えました。先日、散歩中に「どうしてあの人と知り合いだったんだろう?」とふと頭をよぎる人たちがいました。

今回は、「どうしてあの人と知り合いだったんだろう?」シリーズ第1弾をご紹介します。

それは、8年目にお亡くなりになった舞踏集団「山海塾」の創立メンバーの滑川(ナメリカワ)五郎さんです。世界を舞台にして活躍した日本のダンサーで、滑川さんと知り合ったのはニューヨーク公演を終えたばかりだったような記憶があります。白塗りで表現する独特な世界観、身体からあふれ出る柔らかな凄みには圧倒的な力がありました。滑川さんが、活動の拠点を宇都宮の大谷採石場に移された時には、私も伺ったことがあり、その神殿のようなひんやりとしたスケール感に言葉を失いました。2~3年ほど交流がありましたが、どうして知り合ったのか覚えていないという・・・。

彼は、「ほぐし」「呼吸」「基本動作」「コズミックイメージ」「感覚的イメージ」「波動伝達」「音体動作」「緊張・脱力」「宙腰」「意識の糸」「イメージの変容」「イメージの合成」の12の行程から神経の行き届いた調和のとれた身体表現を行うワークショップも行っていました。

私たちは動物としての身体を持っています。赤ちゃんの時は快・不快の感覚しかなく、それを身体や泣き声などで表現する方法しか持っていません。それが成長するにつれて、言葉を話し、知識や理性で身体の感覚をコントロールするようになっていきます。だんだん身体自体が発する声よりも、知性の声にしたがっていくというイメージでしょうか。

身体には、空間内に位置づけられる「外的な身体」と身体内部の生理状態を表す「内的な身体」があり、不安や抑うつ、摂食障害などの感情関連の精神病理においては「内的な身体」の変調が関係していると言われています。身体と感情が一致しない場合において、何らかの捻れや歪みが生じてくるのかもしれません。

自分の感情や感覚的なイメージを、身体で表現してみることで、神経の行き届いた調和のとれた身体の状態を保つことができるような気がします。まずは平穏な心の状態で、ご自身の身体の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。いつもは聞こえてこない身体が発する声を聞くことができるかもしれませんよ。