どんぐり

どんぐり

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

散歩中にどんぐりを見つけました。思わず♪どんぐりころころ/ドンブリコ/お池にはまって/さあ大変♪と口ずさんでしまいました。このどんぐりは、ブナ科の果実をまとめて呼ぶ言葉です。日本に生育するブナ科の植物は、クリ、カシワ、コナラ、ミズナラ、ブナなどがあります。これらは広葉樹の仲間で、葉が平たい被子植物の樹木でもあります。

広葉樹の中でも、特に温帯に生息する常緑広葉樹を照葉樹と言い、かつて照葉樹の森林は日本全土に広がっていました。しかし、開発による過度な森林伐採により、照葉樹林は失われました。九州の宮崎県には約2,500ヘクタールという日本最大級の照葉樹林が広がっていますが、そのほかは香川県の金比羅宮、三重県の伊勢神宮のように、社寺林として残っているものがほとんどです。

伊勢神宮の照葉樹林は、式年遷宮で使用するご神木を育てるために守られている森ですが、この森の腐葉土は栄養たっぷりで、そのままでも食べることができるようです。また、この森の中には高周波が流れていて、そこにいるだけで心が癒されると言われています。休むという字は、人べんに木と書きますが、人が休むためには木が傍にあることが必要なのかもしれませんね。

そういえば、どんぐりなどの堅果(ケンカ)類の恵みをもたらす照葉樹林は、日本の原点とも呼べる縄文文化の成立と発展に欠かせない森林でした。縄文人が暮らす集落の近くには、堅果類の樹木が生息する照葉樹林があったと聞いたことがあります。縄文人は採集と狩猟で得た食物を分け合って暮らしていましたから、照葉樹林の森によって生活が守られていたのかもしれませんね。

また、どんぐりと言えば、ヒルマンの「どんぐり理論」を思い出します。ヒルマンはユング派の心理学者の一人であり、元型心理学の創始者としても知られています。その「どんぐり理論」とは、巨大な樫の木がすでにたった一粒のどんぐりに内包されているように、私たちのなかには生まれながらの魂が存在するのだという理論が「どんぐり理論」です。

そして、ヒルマンによると、私たちの魂には運命の呼び声(コール)が書き込まれているそうです。このコールは、私というかけがえのない人間が生きるための感覚、日々のことを超えてやらねばならないことがあるという感覚、私がここにいる理由を世界が与えてくれているという感覚、私は私の生まれながらに持っているイメージに応えながら自分の物語を成就させるという感覚を呼び覚ますようですよ。

あなたの心の奥にある魂からは、どのようなコールが聞こえますか?道端に落ちているどんぐりを見ながら、♪やっぱりお山が/恋しいと/泣いてはどじょうを/困らせた~♪と歌う私のなかの生まれながらの魂は、どのような物語の成就を望んでいるのかを想像しながら散歩を続けました。

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