いのちの灯り

いのちの灯り

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

今日は東員町中部公園で開催された「いのちの灯り展&ミニコンサート~見て・聴いて・こころで感じよう~」に行ってきました。

いのちの灯り展とは、いのちの言葉プロジェクトが、悲しみのない幸せな明日を願い、大切な家族を事件や事故で亡くした遺族が集まり、「いのちの灯り」である灯籠を灯して、いのちの大切さを伝える展覧会です。今日は、写真のように東員町の公園で開催されました。

この展覧会を始めたのは、24年前に交通事件で息子の拓也さんを亡くされた鷲見三重子さんです。当時拓也さんは16歳で、通っていた高校の前の横断歩道で脇見運転の車にはねられました。加害者は裁判の時に穴の空いたジーンズをはいて出廷しました。そして、その両親は事故を起こした車は縁起が悪いからと新しい車を買い与えていました。憤りを感じた鷲見さんですが、「拓也はいつも人を笑わせてばかりいたから、母親の自分が加害者を恨んで生きることを望んではいないだろう。拓也は幸せの種を蒔いて天国に旅立ったのだから、私はその種を育てて幸せの花を咲かせよう」と決意されて、現在の活動を続けられています。

今日の閉会式で、鷲見さんは次のように挨拶をされました。「たくさんの人に支えられてこれまで活動を続けてきました。今日のこの日を終えて、しあわせの花を咲かせることができたと感じています」と涙ぐまれていました。私は2005年から鷲見さんの活動を応援してきましたので、鷲見さんの涙を拝見して胸にこみあげるものがありました。

拓也くんの灯籠に鷲見さんが書かれた文章をご紹介します。

もう帰って来ないのは解っているのに、今日も帰宅途中の高校生の中に拓也を探している。「腹減った、今日は何」と言う声をもう一度聞きたい。
平成九年四月二十四日、横断歩道で事故に遭い「覚悟をしてください」と何度言われても、わが子が死ぬとは思わなかった。
意識は戻るとお守りを手に巻きつけ、頭をなで足をさすり「苦しいと言ってごらん」「お母さんと言ってごらん」と耳元でささやいた。けれども一度もしゃべることなく、五月八日に逝ってしまった。
その日は弓道場で連続十五射して、道場の壁に拓也の札が掛けられた。貴方は自分の力で生きた証を残して行ったね。
加害者は免許停止にもかかわらず、親が「あの車は縁起が悪い」と言って、新しい車を買い与えられていた。
拓也が命に変えて伝えたかったこと、「社会のルールを守ろう」それは誰もが「人に殺されるために生まれてくる命も、また殺すために生まれてくる命」もないんだと。ルールを守れば被害者は出ないんだと気づかせてくれたね。
十六年間楽しい思い出をいっぱいくれたあなたに、ありがとう!!

私は拓也くんにお会いしたことはないのですが、16年前からずっと知り合いのような気がしています。生きていれば拓也くんは40歳ですね。拓也くんが撒いた幸せの種は、今日満開の花を咲かせました。命に変えて咲かせた花です。大切にしていきたいと改めて心に誓いました。

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