記憶は流れている
記憶は流れている

オンラインカウンセリングのカナムーンです。
これは450本目のブログです。最近はブログを書くペースがめっきり遅くなりました。それはFacebookを始めたことが影響しているのかもしれません。Facebookはブログのように長文を書かずに済みますから、お手軽お気軽なのだと思います。
そんなFacebookを見ているときに、ある人が橘玲さんの『バカと無知』という本を紹介していました。私は養老孟司さんの『バカの壁』が好きでしたので、早速タイトルに惹かれて購入してみました。
目次を見ていると、PARTⅤに「すべての記憶は『偽物』である」という見出しがあり、そのなかに「トラウマ治療が生み出した冤罪の山」、「トラウマとPTSDのやっかいな関係」という小見出しが...。トラウマ治療については、日頃から思うところがたくさんありますので、興味関心が湧きました。
そこには、次のように書かれていました。「近年の脳科学のもっとも大きな発見のひとつは、脳には記憶が『保存』されていないことだ。脳はビデオカメラのように、起きたことを正確に記録し、いつでも再生できるようにしているわけではない。脳にハードディスクが埋め込まれているのではなく、なんらかの刺激を受けたときに、そのつど記憶が新たに想起され、再構成される。記憶はある種の『流れ』であり、思い出すたびに書き換えられているのだ」と。
そのとおりだと思いました。みなさんは、脳が外部刺激を受けたときに、どのような状態になるかご存知ですか?神経ネットワークにものすごい速さで電気が流れるような状態になります。まさに『流れ』です。そう、だから記憶がある種の『流れ』であることも頷けるのです。
また、長期記憶の起点となる海馬に電気ショックを流すと、フラッシュバックするという実験結果があります。不安や恐怖を感じる扁桃体の近くにある海馬が、電気ショックを受けることによって刺激されて、感情が伴う強烈な記憶が新たに想起されるのでしょう。
そうすると、記憶というものは実は曖昧なものであり、想起される場面によって書き換わっていくのです。だからこそ、安心安全な場面や方法で、トラウマ記憶を想起させ、それを安心安全なものに書き換えていくという作業を行っているのが、現在のトラウマ治療なのだと思っています。
私たちは同じようなトラウマ体験をしても、記憶に残すものは異なります。何を感じ、何を意識し、何に衝撃を受け、何を記憶に残していくのかも、人それぞれです。そして、トラウマ体験後の過程もひとつではなく、千差万別なのですね。だって記憶は流れているのですから。このことを治療者は心得ておくことが必要だと感じています。
with k 4E #450








