SNSの悪意
SNSの悪意

オンラインカウンセリングのカナムーンです。
パリ2024オリンピックも残すところあと1日になりました。私はコロナウィルス感染症緊急事態宣言以降、テレビを見ることがほとんどなくなりましたので、子どもがテレビをつけているときにたまたま見るぐらいの頻度で、オリンピックを観戦していました。
このオリンピックでは、莫大な選手等への誹謗中傷の被害が報告されています。この大会の役員たちが講じた独自のAI機能による解析では、SNS上で合計150万件以上の投稿が誹謗中傷にあたると公表されたのです。そして、そのうちの約9万7,000通が「虐待」「差別的」と判断され、警察の調査対象になったということです。さらに誹謗中傷は35カ国語で書かれ、最も多く被害を受けたのはイギリス代表の選手たちでした。
4年間をかけて一生懸命競技に取り組んできた選手たちを、どうして誹謗中傷するのでしょうか?その多くは、自分では競技をしたことのない人たちでしょう。選手たちがどれほど葛藤しながらこの4年間を過ごしてきたのかなど、まったく知らない人たちが、一生懸命頑張ってきた人たちを、無自覚の悪意をもって誹謗中傷するのです。
ひとり言や、家族や友人たちの狭い世界で愚痴をこぼすのは自由ですが、SNS等の公の媒体を使って、罵詈雑言を並べ立てるのです。そこで、3つのことが頭に浮かびました。
1つめは、自分よりも優れた人と自分を比較すると脳は「損失」を感じる部分が活性化され、自分よりも劣った人と比較すると脳は「報酬」を感じる部分が活性化されるのです。つまり、自分より優れた者は「損失」、劣った者は「報酬」であるということなのです。そうすると、オリンピック選手は明らかに自分よりも優れた人ですから、脳にとっては「損失」です。その「損失」から誹謗中傷を発信している可能性があるということ。
2つめは、以前性暴力被害者の人と話をしていたときに、コンビニエンスストアに置かれているアダルト本はトイレの前に並んでいるけれど、アダルト本を見たい人の権利ばかり優先されて、見たくない人の権利がないがしろにされているということを伺ったことがあります。誹謗中傷も同様に、公の媒体で発信する以上、それを見たくない人がいるということを私たちは意識する必要があるということ。
3つめは、アメリカのハラスメント調査では、従業員の3人に1人がハラスメント被害を受けた経験があり、2,000人に1人が加害をした経験があると回答しているように、私たちは「被害」を極端に過大評価し、「加害」を極端に過小評価する特性をもっています。おそらく誹謗中傷を書き込む人たちは、自分が加害者であることを理解していない可能性があるということ。
だからこその無自覚の悪意という言葉が当てはまるのですが、自分自身を客観的に見ることができない人が、この世の中には膨大にいらっしゃるということなのだと思います。私も加害者にならないように気をつけなければなりません。自戒の意味を込めて書かせていただきました。
with k 4E #451








