お盆の海

お盆の海

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

お盆の時期に入って海での水難事故のニュースが増えたような気がしています。私が子どもだった頃は、親や親戚から「お盆に海に入ると足を引っ張られるよ」と脅かされた記憶があり、お盆にあの世から帰ってくる霊たちが足を引っ張るんだろうなあと想像して、怖くなったことを覚えています。

子どもの頃のお盆はとても楽しいものでした。私の母は6人きょうだいの末っ子で、お盆には当時の南島町古和浦の勝男のおじさん(母の一番上の兄)の家に泊まりに行っていました。古和浦にはいとこがたくさんいて、みんなで海や川で泳いだり、盆踊りをしたりと、本当に楽しい思い出しかありません。

そして、この時期には古和浦のそれぞれの家の前に迎え火が焚かれます。先祖の魂が迷わずに自宅に帰ってくる目印となるように、薄暗くなる頃に火を灯すのです。それからみんなでお墓にお参りに出かけます。ぞろぞろと少し涼しくなった夕方に家を出て、お墓参りをした後に、近くの小学校で盆踊りの練習をして家に戻ったことを覚えています。

子どもの頃の夏休みは楽しい思い出がいっぱいで、思い出すだけで心があたたかくなります。今では両親も古和浦にいた母のきょうだいたちも亡くなっているので、みんなで集まることもなくなり、何だかさみしいような気がしていますが、そのあたたかいイメージの思い出があるだけで、それだけで幸せなのだと思います。

一方で、「お盆に海に入ると足を引っ張られるよ」という怖いイメージも根強く残っています。海からいくつもの手が出ている場面が想起されるようなイメージです。何とも恐ろしい...。これは、お盆の海に子どもを近づけないための大人の知恵だったような気がします。

お盆の海は、台風が発生し始める時期で、台風の影響を受けた土用波が起こりやすい時期なのですね。この土用波は、大きなうねりのある波で、海岸で波が高くなるという特徴があります。そして、高波が引くときの力も強く、砂浜で遊んでいて波にさらわれる危険性もあるのです。これが離岸流です。クラゲが大量発生するのも、このお盆の時期ですね。

お盆の海の危険性を知っていた昔の人たちが、いのちを守るためにこの時期の海水浴から子どもを遠ざけるための言葉が、「お盆に海に入ると足を引っ張られるよ」だったのでしょうか。そう考えると、この言葉には愛情がこもっているように感じます。

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