怒りの対処法

怒りの対処法

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

再来週、県立高校の2年生を対象に「アンガーマネジメント」について授業をする予定なので、2冊の本を取り出してきました。もう1冊あったような気がするのですが、見つけられない……。今晩にでももう一度自宅の書庫を捜索してみることにします。本が多すぎて2階の床が抜けないか心配しています。

話を元に戻しましょう。大学で教員をしていた頃に、中学生や高校生を対象にした「アンガーマネジメント」の出前授業に行ったことがありました。子ども達を対象に話をするのは久しぶりなのですが、さまざまな反応を直に見ることができるので、とても楽しみでウキウキしています。

依頼元の先生からのオーダーは「アンガーマネジメントや人に嫌な気持ちをさせないなど、自分の気持ちをコントロールできることにつながる内容でお願いしたい」というものです。自分自身の気持ちをコントロールできない子ども達が増えているのでしょうか。子ども達だけでなく、大人も同様な気がしますが……。

怒りは自然な感情です。何かいやなことが起きると、怒りという感情で、体が自分自身に「なんかイヤなんだよ~」と教えてくれているからです。専門的に言うと、外部刺激に対して扁桃体が反応している状態です。扁桃体が反応すると、アドレナリンやコルチゾールというホルモンが放出されて、体が戦闘の準備を始めるのです。

このアドレナリンは4~7秒ほど出続けると言われていて、これは自分自身ではコントロールができません。生体反応であるからです。ですから、「腹が立ったら10数えよう」というのは理にかなっているのですね。まずは、ホルモンの放出がおさまるまでじっと待ちましょう。私はそのときに「あ~、私はこんな感情になるのねえ」と怒りの感情を眺めまわして観察するようにしています。

怒りというのは二次感情です。ある日突然出現するものではなく、日々の小さな感情の積み重ねがもたらす感情なのです。そこには一次感情と呼ばれる不安感、孤独感、プレッシャー、ストレスなどの原因があります。これらの小さな一次感情が積み重なって肥大化している状態のとき、何らかの起爆剤(トリガー)を投入されることによって、負の感情が大爆発するのが、怒りなのですね。

このように怒りの秘密を知的に理解することによって、「なるほど~、自分のなかで起きている怒りとは、こういうものだったんだ~」と納得することができます。そして、一次感情を日々の生活のなかでうまく対処できれば、大爆発することが防げるのですね。その対処法を、高校生に伝えに行きたいと思います。

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