しあわせの種

しあわせの種

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

以前「秋の風」というブログで、交通事故で息子さんを亡くされたお母さんが「10月中には絵本ができるので」とLINEを下さったことを書きました。その絵本が完成しました。

写真は絵本の表紙です。タイトルは「しあわせの種」、著者は鷲見三重子(スミミエコ)さんです。鷲見さんからブログでご紹介することの許可をもらって、掲載することになりました。

鷲見さんは、1997年に当時16才だったご長男であるたくちゃんを交通事故で亡くされました。23年前のことです。あとがきには、「悲嘆にくれる中、出会った方々に助けられ、支えられて今日まで歩むことができました。長い年月の中で、若い命が消えていくことがとても苦しかった。明日を生きる子どもたちに、悲しみのない幸せな日々を願い、本当にあった体験を基に絵本を完成いたしました。私自身『誰も死なせてはならぬ』と心に刻み、これからのいのちの灯り展や人形劇に力を尽くして参ります。絵本を読んでくれたあなたに、いつか会える日を願って・・・。」と書かれています。鷲見さんのお人柄通りの言葉が並んでいます。

何年か前に、鷲見さんと私の共通の知り合いである若者を亡くしたことがありました。どうしてその若者の命を守ることができなかったのだろうかと二人で強く後悔した思い出があります。子どもが小さい時から何度も何度も「命は大事」ということを伝えたいと、その時に鷲見さんは固く決心されたような気がします。そして私も・・・。

絵本ができる前に、鷲見さんから「しおりか帯用に文章を書いてください」とお願いされ、軽い気持ちで寄稿したら、なんと!絵本の最後のページに掲載されていました。被害者支援室の警察官からは「仲先生が絵本を描いたみたいですね」とからかわれました(笑)。表紙から奥付までに出てくる名前は私の名前だけ。鷲見さんの名前は奥付にしか登場しないので、これは確かに間違われてしまうかも・・・と苦笑いをしてしまいました。

せっかくなので、私の寄稿文をご紹介します。
「いのちいっぱい あなたの花を咲かせよう」
しあわせの種をまいて天国に旅立ったたくちゃん/その種をたいせつに育てた家族の愛のものがたり/ひとりひとりが持っているかけがえのない花の種/あなたの花がしあわせの道しるべになる/さあ、みんなで種をまこう!

鷲見さんはいつも笑顔で、まわりの人たちを巻き込みながら、精力的に活動されています。生命(イノチ)のメッセージ展、いのちの大切さを学ぶ教室、いのちの言葉プロジェクト、いのちの灯り展、人形劇、そして絵本・・・。その快進撃はまだまだ止まりそうにありません。言葉にしたことを本当に実現されていく方です。私は応援することしかできませんが、鷲見さんが咲かせるたくちゃんの花をずっと拝見させていただこうと思っています。

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