世界地図

世界地図

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

この写真の世界地図の壁掛けは、25年前にロサンゼルスのフリーマーケットで購入したものです。当時、語学留学でサンタモニカに1か月間だけでしたが滞在したことがあり、その時にほっつき歩きながら見つけた世界地図でした。この世界地図は、アメリカで購入したこともあって、北が上にあり、西にアメリカ大陸、東にユーラシア大陸が位置するものでした。日本は東の端っこにちょろっと見えているぐらい小さいものです。

北を上にして世界地図を描くのは、国際的なルールで決まっているわけではありません。北半球の国の世界地図は北を上にしていることが多いのですが、オーストラリアなどの南半球の国の地図は南が上になっています。それぞれ、世界地図を描く主体を中心として、この世界を描くというのがスタンダードになっているようです。

それでは昔はどうだったのでしょうか。現在知られている最も古い世界地図は、紀元前7世紀のバビロニアの世界地図です。この地図は北を上として描かれています。その後、紀元前6世紀頃にアナクシマンドロスという人が、世界地図を描いています。アナクシマンドロスは、古代ギリシアの哲学者で、存在するものの元となるもの(アルケー)が「無限なるもの」であり、生成消滅は円環運動の中で無限に繰り返されることを説いています。はじめて日時計を使って、夏至・冬至と、春分・秋分を識別した人でもあるようです。う~ん、実に興味深い……。

話を元に戻しましょう。世界地図を描くときに、どの方角を上にするかという話でした。

キリスト教は、東を上にして地図を描いていました。それは旧約聖書の『創世記』の記述に、理想の楽園であるエデンの園は「東のかた」にあるとされていたからです。エデンの園の下には、聖地エルサレムがあるので、東を上として地図が描かれていました。東にはオリエントがあるのですね。スピリチュアルの世界では、東の端には日本があるから、日本は特別な地であると言う人もいるようです。

イスラム教では、南を上にするのが一般的です。それは、メッカの方向が南だからです。イスラム教徒は1日に5回礼拝をしますから、方角をとても重要視します。だから、南を上に描くのは頷けますね。

仏教は北が上です。なぜならインドという暑い地域において神聖な場所は涼しいところだからです。チベットには「無熱悩池(ムネツノウチ)」という暑熱に悩まされることのない池があると仏典に出てきますので、悩みから解放される北の地は大切な方角だったのかもしれません。

このように見てみると、世界地図にもさまざまな捉え方があるのだなあと気づかされます。人はそれぞれが何を大切にしているかによって物の見方が変わってくることがわかりますね。私たちの世界は、私たちの観念で作り上げられています。観念を変えれば世界が変わるのです。それが無限に繰り返されているのが、この世界なのかもしれませんね。

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