月の龍

月の龍

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

先日、稲わら習字の体験に行ってきました。稲わら習字という言葉は耳慣れない言葉かもしれませんね。私も体験するまではどのような習字なのか知りませんでした。

この稲わら習字の浄心流雲龍を興し、宗家となったのは爪橋静香さんです。1988年の辰年のお正月に、ふと稲わらを使って文字を書いてみようと思われたのがきっかけらしいですよ。稲わらは「幻の米」「神の米」ともいわれる神岳の水で育てたイセヒカリを使っていますので、爪橋さんは「これは神聖な稲なのよ」とおっしゃっていました。なるほど~。

ちなみにイセヒカリは1989年、伊勢志摩地方に2度の大きな台風が襲った時に、伊勢神宮の神田の真ん中に、被害を免れ2株だけ直立して元気よく生えていた稲からできたお米のことを言います。縁起がいいお米なのですね。稲わら習字に使った稲は、現在、我が家の神棚にお供えしてあります。

さて、稲わら習字で書きたい漢字一文字を教えてくださいと、前もってお願いされていましたので、一体どんな漢字を書こうかと一瞬迷いましたが、やはり私はカナムーンなので、やっぱり「月」にしようとすぐに決心しました。まるで三日月のようなお月様にして、できれば陰陽のマークを月の中に入れたいなあと思っていました。

いざ、白い紙を目の前にして、稲わらの先を右手の親指と人差し指でつまむように構えると、心が決まりました。三日月のカーブを描き、円をなぞるようにさらにもう一方の半円を描きました。さて、陰陽のマークを描こうと思ったら、爪橋さんが「一緒に描いていいですか」と私の右手を持ち、龍が空を駆け上がるがごとく、上方に稲わらを勢いよく動かしました。

お~っ!素晴らしい!「何事も上向きで終わらなければね」と爪橋さんは笑顔でおっしゃるのです。そんな爪橋さんは若いころ白い龍を見たことがあるとかないとか……。アトリエには龍の形をした木片があり、掛け軸には神龍が描かれていました。

何だか不思議な世界を体験させてもらいました。この写真の「月」は、これから落款印を押し、額縁に入れて、今年の年末にはおかげ横丁にあるギャラリーに展示してもらえるとか……。3月20日に幻冬舎から「隣る人 心が弱ったときに開いてほしい本」で随筆家デビューを果たす私ですが、年末には書道家を名乗っているかもしれませんよ(笑)。いくつになっても、新しいことに挑戦し続けることは楽しいことです。

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