河津桜

河津桜

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

写真は熊野市の山﨑運動公園で撮影した河津桜です。2月上旬から開花し始める早咲きの桜で、1955年に静岡県河津町で発見されました。温暖な気候と早咲きの特色があり、約1か月を経て満開になり、満開の期間は約1週間から10日ほどしかありません。

花の季節になると、「あっ、あっちで梅が満開になった」「あっ、こっちで桜が満開になった」と、開花情報を調べては、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりと大忙しです。ちょうど先日は、「山﨑運動公園の河津桜が見頃を迎えています」というネットニュースを見て、熊野市まで足を伸ばしました。伸ばしすぎですが……。

kakuyomu.jpの中の『桜会議』では、桜が咲くべきか否かを議論しています。こういう具合に……。「咲くべきか。それとも、咲かぬべきか」「向春の候、開花は妥当である」「時期尚早ではあるまいか」「否、直ちに満開にならねば早咲きの名折れ」おもしろい桜の会議ですね。こうやって、写真の河津桜もお隣りの木と話し合っていたのでしょうか。

こんな想像の世界に浸っていたら、悲しいニュースが飛び込んできました。司法によって被害者やそのご家族・ご遺族が苦しめられているというニュースです。1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件をはじめ、重大少年事件の記録が各地で廃棄されていた問題で、最高裁は記録が廃棄されたり永久保存されたりした経緯を調べているというものです。

最高裁が廃棄や永久保存の経緯、理由を調査中の少年事件を見てみると、ご遺族のお顔が浮かぶ事件が数多くあります。「被害者が生きた証を奪った」「血の出るような思いで作られた記録をごみにしてしまった」とご遺族はまた司法に傷つけられています。被害者配慮を謳っている司法の顛末がこれなのかと思うと情けなくなります。

また、監護者性交で勇気を持って証言した少女の供述を、被告側証人の専門家が「すべて虚偽の供述である」と明言したという公判もありました。また、少女自らが被告の寝室に入って行ったとして無罪になった公判もありました。それは繰り返される加害に順応することで自らの身を守っていただけのことなのに、それが司法には理解してもらえないのです。

司法だけではありません。被害者支援をしている支援者もご遺族を傷つけている現状があります。一つひとつの言葉がけが、ご遺族のトラウマを再燃させていることも知らずに、支援者が正義をふりかざすことがあります。犯罪で傷つけられた被害者やそのご家族・ご遺族が、こうやって何度も何度も傷つけられていくのです。同じ支援者として申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

でもね、ここであきらめてしまっては何も変わりません。『桜会議』のように、とにかく議論し続けるのです。考えることをやめてはいけません。ずっと考え声を上げ続ければ、何かは確実に変わります。そうすれば、写真のような満開の花を咲かせることができるかもしれませんよ。

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