アンビエント

アンビエント

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

京都で開催された「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」へ行ってきました。ブライアン・イーノは英国の音楽家・作曲家で、環境音楽(AMBIENT MUSIC)の提唱者です。音楽を対峙して聴くのではなく、環境として聴くのです。イメージとしては音に身を委ねる感覚でしょうか。大気圏外の宇宙の音はこんな音なんだろうな~と想像してしまうような心地よい音楽です。

私がイーノの音楽と出会ったのは、33年ほど前です。若い頃はロックバンドのマネージャーをしていましたので、さまざまな音楽に触れる機会がありました。イーノはその中の一つで、1978年から1982年にリリースされた「アンビエント1~4」のCDをよく聴いていました。興味のある方は是非一度聴いてみてくださいね。

イーノの展覧会に、77 Million Paintingsと題されたスペースがありました。これは7,700万通りに変化する光と音と色彩のペインティングを体験できる世界でした。イーノは視覚的音楽(Visual Music)と呼んでいますが、まさに少しずつ変化し続ける光と音と色彩に包まれる快感を味わえる空間でした。よく見ていないとどのように変化していくのかわからないペインティングなのですが、少しずつパーツが変化していって、まったく異なる映像が目の前で繰り広げられていくのです。不思議な感覚でした。

自閉スペクトラム症という発達障害の当事者であるテンプル・グランディンは、「絵で考えるのが私のやり方です。言葉は私にとって第二言語のようなもので、私は話し言葉や文字を、音声つきのカラー映画に翻訳して、ヴィデオを見るように、その内容を頭の中で追っていきます」と、その独特な視覚的優位な感覚を説明してくれていますが、77 Million Paintingsを見て、彼女の言葉を思い出しました。

この展覧会にイーノは次のようなコンセプトを寄せています。

「ありきたりな日常を手放し、別の世界に委ねることで、自分の想像力を自由に発揮することができるのです」

制限の多いありきたりの日常の中で、私たちは自由に想像することすらままならないのかもしれません。こうでなければならないというガチガチに狭められた固定観念から離れ、生まれる前の自由な魂で、何の力も加えられず軽やかに想像の翼を広げることの心地よさを体験できたような気がします。

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