バイキンマン

バイキンマン

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

先日、犯罪被害者等支援担当者研修会の講師を務めるために高知県に行ってきました。その際に乗ったのが、写真のアンパンマン列車です。車体の側面にも、車両の天井にもアンパンマンの登場人物が描かれていて、とても可愛らしい列車でした。

アンパンマンと言えば、作者のやなせたかしさんを思い出します。やなせさんはアンパンマンを世界最弱のヒーローと言っていました。アンパンでできた顔が濡れたり変形したりするとパワーが出なくなるので、その度にジャムおじさんに助けを求めて、新しい顔をつけ替えてもらいます。また弱っている人がいると、自分の顔のアンパンをちぎって差し出してしまいます。自分を犠牲にして、弱い人を助けるのです。やなせさんはこれを正義だと説明しています。

自分を犠牲にして、弱い人を助けるという言葉から、「月のウサギ」のお話を連想しました。これは、インドに伝わる『ジャータカ』などの仏教説話に見られるお話です。山の中で力尽きて倒れているみすぼらしい老人に、サルは木の実を集め、キツネは川から魚をとり、ウサギは自ら火の中に飛び込んで食料となったという自己犠牲のお話です。その老人の姿は帝釈天で、ウサギの捨て身の慈悲行を後世まで伝えるために、ウサギを月に昇らせたというものです。

そんなにまでして、ウサギは自分を犠牲にする必要はないのにな~と感じるところもありますが、お互いに助け合いながら、持ちつ持たれつの関係を作ることも大切なのでしょう。これは共生と言い換えることができるかもしれません。

アンパンマンの敵はバイキンマンです。「アンパ~ンチ」とアンパンマンからパンチをお見舞いされたバイキンマンは「バイバイキ~ン」と言いながら飛んでいきます。このように対立するアンパンマンとバイキンマンですが、アンパンを作るためには菌が必要です。アンパンは菌に助けられている側面もあるのです。敵だけれども味方であり、味方だけれども敵であるという共生関係でもあるのです。まさに持ちつ持たれつなのですね。

これは人間にも言えることで、私たちはバイキンがないと免疫力を高めることはできません。バイキンが絶滅すると、人間は生きられなくなるのです。まさに私たちはバイキンとバランスを保ちながら共生しています。また、一度戦った細菌やウイルスに対して免疫ができる場合もあります。これはコロナウイルスにも当てはまりますが、共生する知恵としてワクチンがあったりします。私たちはコロナウイルスとも持ちつ持たれつの共生関係を作り上げていく必要があるのかもしれませんね。

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