秋の風

秋の風

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

月曜日の朝に自室でパソコンに向かっていると、窓から秋の風が吹いてきました。私の一番好きな季節の少し乾いた風です。とても幸せな気持ちになりました。空を見上げると、飛行機雲が・・・。飛行機を見るとある人を思い出して、さらに優しい気持ちになります。

そんな優しい幸せな気持ちでいたら、交通事故で息子さんを亡くされた方から「10月中には絵本ができるので、一緒に活動してくれた大学生のOB・OGたちに渡したい」というLINEが届きました。

その方は20年以上前に、16才だったご長男を学校前の横断歩道で、脇見運転をしていた車に跳ね飛ばされ、亡くされました。裁判ではボロボロのジーンズをはいた加害者の女性が現れ、その親は事故に遭った車は縁起が悪いと新しい車を買い与えていました。でも、ご長男はいつも人を笑わせるほどとても明るい性格だったので、加害者を恨んで生きることを望んでいないのではないかとその方は考えました。そして「息子の蒔いた幸せの種を育てて、花を咲かせることが私の使命」と気づき、生命(イノチ)のメッセージ展から始まり、いのちの大切を学ぶ教室、いのちの灯り、いのちの言葉プロジェクト、そして絵本の制作と、次から次へと活動を広げていかれました。そして、その絵本がとうとう10月中には完成します。ずっと応援し続けてきた私としては感無量です。

そして、2010~2016年の7年間で生命(イノチ)のメッセージ展やいのちの灯りで共に活動した、三重県内の7つの大学の学生OB・OGたち約140名に声をかけて、絵本を渡したいというご相談を受けました。ちょうど、犯罪被害者週間にイベントがあることから、その日に合わせて代表的なOB・OGたちに声をかけてもらうことにしました。私が勤めていた大学以外の学生OB・OGたちは100名を優に超えるのですが、大切な教え子だと思っていますので、再会できることに幸せを感じています。

絵本には、私のメッセージも少しだけ入れていただけることになっていますので、完成したらこのブログでご紹介したいと思います。

理不尽にも大切な人のいのちを奪われたご遺族が、その死を無断にしたくない、自分と同じ悲しい経験をしてほしくないという理由から、傷ついた心に鞭打って、さまざまな活動をして下さっています。これを遺志の社会化といいますが、その想いを支援することが私の使命なのではないかと、秋の風に吹かれながら改めて感じる月曜日の朝でした。

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