ストレスコーピング

ストレスコーピング

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

私はリワーク支援も行っています。リワークというのは、主に精神疾患などの精神面の不調から休職をした人に対して行われる、職場復帰を目指したリハビリテーションプログラムです。休職に至った経緯を聴取して、ストレスが高じた時にどのように対処するかを共に考えながら、認知行動療法を行っていきます。2015年からストレスチェックが事業者に義務づけられましたので、リワークについて社会としての意識が高まっていることと思います。

そこで、今日はストレスについてお話ししたいと思います。私たちはストレスを感じると、脳の中の扁桃体(ヘントウタイ)が反応し、コルチゾールなどのストレスホルモンを放出します。例えば草原で人間がライオンに遭遇したときに、逃げるか闘うかを選択しなければならなくなりますね。その際にストレスホルモンはすぐに動くことができるような戦闘態勢を体の中に作る働きをします。そして、ライオンとの危険が回避されれば、そのホルモンは放出を止め、通常の平穏な体の状態に戻ります。

現在ライオンは町中にいませんのでストレスにはなりません、当たり前ですが(笑)。ただ、新型コロナウィルスを極端に恐れている場合は、ライオンに匹敵するほどのストレスになるかもしれません。

現代社会のストレスは、テキスト情報等に誘発される過去の記憶や未来の想像などのマインドワンダリングというあれこれ考えることだと言われています。スマホを常に手放せず、メールやLINEなどのやりとりを常に行い、情報検索をすることで、意識が過去に行ったり、未来に行ったりする慢性的な心の迷走が、コルチゾールを出し続けることにつながるのです。心が休まりませんね。

では、どうすればいいのか。それは“目の前のことを考える”、つまり“今を生きる”ことが大切なのですね。自分の中心がどこかを意識し、過去や未来に持って行かれそうになった時に、自分の中心に立ち返り、今を生きることに専念していただければと思います。そうすれば少し心がラクになるかもしれません。

でも、やはり私たちにはストレスからは逃れられない現実があります。その時は、ストレス対処法(コーピング)をなるべく多くリストアップしてみましょう。ビールを飲む、温泉に入る、筋トレをする、瞑想をする、ラーメンを食べる、散歩をする、カラオケをする、友だちと話すなど、思いつく限りの対処法を書き出します。そして、それを試してみてください。

感情を司る扁桃体がストレスを感じ、ストレスホルモンを出すことは、車でいうアクセルに当たります。それに対して、ストレスコーピングを駆使しながら「そんなに不安を感じることはないよ~。心地よいことをしてリラックスしよ~。ほら、こんなにリラックスできたね~。」と理性を司る脳の前頭葉が扁桃体をなだめます。車でいうブレーキの役割です。これらをうまく機能させることができれば、前頭葉がストレスをコントロールして心身ともに回復させることができるようになります。

このようなメカニズムを前提に、認知行動療法などを行っていくのですね。コルチゾールは一定量をこえると、脳を破壊するとも言われていますので、是非、今を生きることを意識しながら、自分に合うストレスコーピングを見つけ、心身ともに健康に過ごせるように心がけてください(くれぐれもアルコールの飲み過ぎには注意しましょうwww)。

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