ロールプレイング

ロールプレイング

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

昨日は三重県で犯罪被害者等支援研修会がありました。私は、相談対応を経験するロールプレイングの進行を担当しました。この研修会は昨年度から継続して開催している研修で、グループワークやロールプレイングを通して、市町の犯罪被害者等支援対応窓口の担当者のスキルアップを目指すことを目的としています。

ロールプレイングの仮想事例は特殊詐欺の被害者への対応を検討するものでした。80歳の女性の自宅に、警察署の警察官を名乗る人物から「キャッシュカードが勝手に使われている」との電話があり、その後自宅を訪れた刑事を名乗る男性に捜査が必要と言われ、キャッシュカードと現金を手渡し、暗証番号を伝え、500万円ほどの詐欺被害に遭ったという事例です。

市町の担当者や関係機関が36名集まり、3人1組でロールプレイングを行いました。1人はお話を聴く市町担当者役、1人は詐欺被害に遭った被害者役、もう1人は二人のやりとりを観察し感想を述べる観察役です。みなさん熱心にロールプレイングに取り組んでくれました。

最後に、三重県の事務局を務める担当部署の若手の職員が、模範演技を披露しました。この4月から配属された二人でしたので、少々不安ではありましたが、どのような行政サービスがあり、どのように被害者等からお話を伺えばよいかを一生懸命考えて、台本を作ってくれていました。親が子どもの発表を見守るかのような心境でしたが、よく頑張ったと思います。

私は外部からの関わりですので、通常、そこまで行政職員にコミットすることは珍しいのかもしれませんが、三重県で犯罪被害者等支援に携わること17年、これまでの経緯をつぶさに見てきた関係者としては、厳しいことも当たり前に指摘します。研修会の企画も報告書の内容も、よく考えられたものでなければ、やり直しをお願いすることもたびたびです。

同じ時間を費やして作業をするのであれば、手を抜いて作業をするよりも、よく考え手を尽くして作業をするほうが、質の高い成果が得られるし、その人自身も成長することができるのです。時間はすべての人に平等に与えられていますから、1時間という時間そのものはすべての人にとって同じ時間なのかもしれません。でもその1時間の過ごし方は人によって違うでしょう。同じ1時間ならば濃厚な1時間を過ごしたほうが満足度は高いのかもしれませんよ。そんな時間をこれからも重ねていければな~と思っています。

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