統合

統合

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

私たち人間にはもれなく欲求があります。それは生理的欲求、心理的欲求、社会的欲求などです。これらの欲求をアメリカの心理学者であるマズローは欲求5段階説としてまとめています。

第1段階は生理的欲求です。これは寝たり食べたりする一次的欲求ですね。第2段階は安全欲求です。これは身体的安全のことで飛行機が嫌いという人はこの安全欲求が強いと言われています。第3段階は愛と所属の欲求です。心が通じ合える友や恋人が欲しい、自分が一体となれる集団に属したいなどという欲求です。第4段階は承認と尊敬の欲求です。地位や名誉が欲しくなるのはこの欲求があるためです。第5段階は自己実現欲求です。下層の4つの欲求がすべて満たされると、さらに自分自身をより成長させようという自己実現的な行動をするのです。

この第5段階に至った自己実現的な人間像をマズローは次のように説明しています。

1.現実をありのままに認知する、2.自己受容し他人や自然も受容する、3.自発性を持つ、4.仕事に熱中する、5.独立を求める、6.自律的である、7.斬新な鑑賞眼を持っている、8.至高体験(生命力あふれ人生の意味が開ける神秘的で圧倒的な恍惚感)を持つ、9.社会に対する関心を持つ、10.親密な対人関係が結べる、11.民主的な性格を持つ、12.目標を達成する経過自体を楽しむ、13.敵意のないユーモア感覚がある、14.創造的である、15. 慣習よりも自分の内面に従う、このような人間像が自己実現できているということです。

さて、あなたの周りにこのような人がいらっしゃいますか?

そして、この5段階説は、マズローの死の直前に6段階に変化したのをみなさんはご存知でしょうか?この6段階目をマズローは、「High-Plateau Experience」(高原経験)と呼んでいます。聖なるものと普通のものを同時に認識できる統合された意識状態を経験できる段階です。

心理学者の中には、晩年になってスピリチュアルな領域の重要性を説く人がいます。このマズローもそうでしょうし、ロジャーズもそうです。やはり心だけでは説明できない、高次の領域、つまり魂の領域を用いないと説明できない人間の領域があるのだと思います。

マズローの「統合された意識」という言葉から、アメリカの思想家であるケン・ウィルバーのインテグラル理論を思い出しました。彼の発達のスパイラルは2層に分かれ、それぞれに段階的な世界感があります。第1層には、生存の感覚、血族の精神、力のある神々、真理の力、努力への意欲、人間らしい絆の6つの世界感があります。この第1層に属するのは世界中の約99%の人たちです。残りの約1%の人が第2層の「統合的」・・複数のシステムを統合し調整する、「全体的」・・シナジーを起こす巨視的な視野からマネジメントする世界感を持つようになるとしています。

この第2層に至るのが独力では難しいとされています。それは人口比率から見ても容易に想像できるのではないかと思います。この第1層の意識レベルから第2層へ引き上げるために「ツインソウルシステム」が存在するのではないかと、コウテツさんという方がご自身のブログで述べています。一つの方法としては存在してもおかしくないシステムなのかもしれません。

第1層の最上位まで発達している人は本人が多くの犠牲や努力を払ってきているため、ある程度自分は完成形だと思ってしまっています。その強固な自己中心性を持っている自分をさらに打ち破って第2層に進むには、ある意味真逆な性質を持っていて、それでいて圧倒的な影響力を持ち、片時も目が離せない存在であるツインソウルに出逢うことが契機になると述べています。そしてツインソウルとともに、強固な自分を打ち破り、不安定さの中からまだ見ぬ自分の存在やこれまでにやり残した人生の宿題を片付け、肉体を持ったまま自分自身と統合し、さらに全体性を獲得するためにツインソウルと統合することが、約1%しか存在しない第2層に進める方法の一つであるというのがコウテツさんの仮説です。さらに厳密に言うと、全体性を持つのは約0.1%とされています。

へぇ~、そんな考え方もあるのね~、おもしろ~い!と思いました。ちなみに「統合」の花言葉を持つのはザクロです。今回はかなり怪しい回になりましたが、心を扱う仕事をしている立場としては、この世の不思議な摂理を説明する時にはさまざまなアプローチが必要なことを、ひしひしと感じることがありますので、ご紹介してみました。

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