愛し、愛され

愛し、愛され

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

瀬戸内寂聴さんは、「人間は何歳になろうが、愛したり、愛されたりすることをやめることができない存在」であると、生前おっしゃっていました。

また、「恋愛は、何といっても生きる原動力になります。本当に悲しんでいる人、苦しんでいる人がいて、それがおばあさんであれ、おじいさんであれ、そのときに自分を受け入れてくれる人、理解してくれる人、同情してくれる人が目の前に現れれば、人はその人を好きになるし、それによって立ち直ることができます。やはり人間は一人では生きられないものだし、人の人生を支えてくれるのが恋愛だと思います」ともおっしゃっていました。

まさにその通りだと思います。私たちは常に自分をありのまま受け入れてくれる人や理解してくれる人を求めています。それは、自分の命の存在を証明してくれる人を求めていることと同義なのかもしれないな~と思います。でも、求めているだけの関係性は「恋」でしかありません。

それは「愛」とどのように違うのでしょうか。

「愛」とは無条件にありのままの相手を受け入れている状態のことなのだと思います。あなたが私を愛してくれたら、私もあなたを愛しますという条件をつけることはありません。ただただ、私はあなたを愛するのです。そのままのあなたを愛するだけなのです。

まあ、何と難しいことでしょう!でもね、どんな私でも愛してもらえたら、その満ち足りた安心感はこの上ない喜びをもたらすでしょう?愛し愛されていると、幸せな空気に包まれたように心が温かくなります。そしてその幸せな温かさは余韻が残るように続いていくのです。クスッと笑ったあとの満ち足りた笑みのように。それが「愛」なのだと思います。

品川博二さんは「死は自分と他者を否応なく分断し、私に孤独な最後を準備します。私は愛し、愛されているという思いなしで死に臨むことは、まさに死にまさる苦しみなのです」と述べています。

「愛し、愛される」ということは、お互いの命の存在証明であり、また精神の完成でもあり、生きる意味や死の受容をもたらす究極の関係性なのだろうと思います。だからこそ、私たちは何歳になろうと、愛したり、愛されたりすることをやめることができない存在なのかもしれません。

みなさん、命あるうちに思う存分、「愛し、愛される」ことを楽しんでくださいね。

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