中年期の友人関係

中年期の友人関係

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

先日、3密を避けながら女子会ランチをしました。そのメンバーは、15年以上前に研修会の講師を依頼してきた子育て支援を行っている人たちです。その後、彼女たちは毎年のように自分たちが聞きたいテーマを選んでは、私に研修会講師を依頼してきます。「毎年同じ講師だと飽きるでしょうから、違う講師をご紹介しますよ」と何度お断りしても離してもらえず、すでに腐れ縁のような関係になり、ランチに誘われ、台湾旅行の計画にも当たり前のように組み込まれてしまっています。

ブログの写真に苦労していることを話したら、「愉快な仲間たち♬」というグループLINEが立ち上がり、そこにどんどん写真を送ってくれています。ありがたいことです。今回の写真は、彼女たちが台湾旅行に行った時に撮影した台中駅のトンボのオブジェです。「グレートマザー」のブログで使用したサザエさんの写真も彼女たちが送ってくれたものです。

そんな彼女たちは、中年期になってできた友人です。そこで、中年期の友人関係について書かれた文献がないか調べてみました。中年期危機に関することや、職業・家庭・身体面での固有の課題についての内容が多く、友人関係について書かれたものはごく僅かでした。

そこには、中年期女性の友人関係は、家庭環境や性格が合うことが前提条件となっていて、現在の悩みや将来について話題にすることが多く、中年期男性は趣味の話や思い出話をして過ごすことが多いという内容がありました。何だか少し限定的なような気がしました。

成田善弘さんは「中年期こそ、人がその人らしくなる成熟の時期であり、新たな創造が行われる時期でもある。それがともすれば、否定的に語られるのは、私達の文化の未成熟ゆえではなかろうか」と示唆していますが、人生の秋とも言える中年期は、実りの秋のような豊かな時期でもあるのではないかと思っています。そして、その時期に紡ぎ出される友人関係もまた、創造的かつ豊かに語られる機会があってもいいのではないかと思います。

ペックは、中年期における心理的課題と危機とその適応を4つ挙げています。
1.知恵か、体力か(体力の危機)・・「手を用いるより頭を用いる」、2.仲間か、異性か(性的能力の危機)・・「異性を仲間と再認識すると対人関係は豊かになる」、3.対人関心が柔軟で広いか、狭いか(対人関係の危機)・・「ある人から他の人へ情緒的に関与する」、4.精神的に柔軟か、硬いか(思考の危機)・・「新しい考えを受け入れる」というものです。

このように見てみると、中年期の友人関係は、対人関係や柔軟な思考などの中年期の心理的課題に適応していくために、重要な役割を果たすのではないかと考えています。私のまわりを見回すと、離婚をしたシングルたちが実は多かったりします。また、60代や70代で、卒婚と呼ばれるような別居をしている夫婦も案外多いと聞いています。中年期以降の家族を中心とした発達心理学の流れは、今後どんどん個の発達のほうに重心が移っていくのかもしれないな~と実感している今日この頃です。

with k 4E