発達支援

発達支援

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

♪でんでんむしむし かたつむり おまえのあたまはどこにある つのだせ やりだせ あたまだせ~♪と、今回はかたつむりの写真にしてみました。かたつむりと言えば、夏の生き物ですが、同じ夏の生き物にセミがいます。

そういえば、先日、私が業務執行理事をしている社会福祉法人に、セミの抜け殻をいっぱい入れた虫かごを持った発達障がい児が来ていました。「お~っ!すごいな~、おばちゃんに見せて~」と言うと、自慢げにセミの抜け殻を見せてくれました。本当にいっぱいのセミの抜け殻で、あっぱれという感じでした。

その社会福祉法人には、児童発達支援と放課後等児童デイサービスを行っている事業所があり、発達障がい児に個別療育などを行っています。療育というのは、治療と教育を行うことですが、福祉の分野においては治療というより、発達支援という言葉のほうがしっくりくるのかもしれません。

この療育の目的は、早い時期から発達の特性を持つ子どもの個々の状態や障害特性に応じた育て方、接し方を知り、今の困りごとの解決や、将来の自立と社会参加を目指し支援することです。また、子どもの特性に合った支援をすることで、二次的な問題(抑うつ、不安、いじめ被害、不登校、ひきこもりなど)を予防し、もし二次的な問題が生じかけたときには迅速に対応できる準備をしていくことが大切になります。

ただし、子どもが小さい時から療育を受ければ、もしかしたら症状が消失するのではないかという期待をさせてしまうことがあるのですが、成人研究から言えることは、認知実行機能の特徴は大人になっても基本的に変わらないということですので、将来も発達特性は残り続けることを前提に支援を行います。

発達特性は一人ひとり違います。障がい名が同じでも、症状の出方は千差万別で、一人ひとりのお子さんを丁寧にアセスメントする必要があります。例えば骨折をした患者さんに対して風邪薬を出すお医者さんはいませんね。診察をして患者さんの症状に合った処置をするように、療育においても子どもの症状に合わせた支援をすることが大切なのです。

アメリカでは発達障がいに限らず、子どもに必要な教育をするという姿勢が貫かれています。能力や特性に合わせた教育や支援が行われるのが子どもの当然の権利とされています。一方、日本では“平等”であることに重きが置かれますので、子どもの能力や特性に合った教育を行うことに対して、拒否反応を示される親御さんも少なくありません。日本では“みんなと一緒”であることが優先されるのです。この考え方が特別支援の様々な問題を生んでいます。これについては、後日お話ししたいと思います。

最後に、発達障がいのお子さんへの支援で大切にしたいことを4つ紹介します。子どもの特性を知ること、苦手なことは無理に克服しようとさせないこと、子どもの意思を尊重すること、子どもがどんな体験世界にいるかを理解することです。子どもには、安心・安全を感じながらゆったりと育ってほしいと願っています。

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