アドボカシー
アドボカシー

オンラインカウンセリングのカナムーンです。
私は17年間、大学の教員をしていました。どこかで研修会等の講師をすると、「私、大学生の時に先生の授業受けたことあります。覚えていますか?」と聞かれることがあります。だいたいが覚えていなくて、申し訳ないな~と思いながら、適当に話を合わせてしまうことが多かったりします。
今年に入って、卒業生やそのご家族から連絡をもらうことが増えてきました。何でだろう?そういう巡り合わせの中にいるのでしょうか?そんなことはともかく、卒業生の中には、在学当時、発達特性を持つことから、特別に就労支援をすることになった卒業生もいて、現状と今後の課題について報告してくれる人もいます。また、そのご家族から新たに相談を受けることもあります。
えっ?大学生の中にも発達特性を持つ人がいるの?と思う人がいるかもしれませんね。今は、どこの大学にも発達障害を持つ学生を支援する仕組みがあります。例えば、東京大学にもバリアフリー支援室があります。ホームページにも紹介されていますので、興味のある方はアクセスしてみてください。試験時の配慮、評価の代替、提出期限延長、退室・入室の許可、講義・実習の代替、教室での座席位置確保、視覚呈示を増やした教育環境、教示方法の調整、TA又はサポートスタッフの配置、進捗管理の補助、コミュニケーションの補助、耳栓等の使用許可、情報保障などの発達特性に合わせた合理的配慮を行っているようです。
ある卒業生のご家族から、「知的には年齢相応なのだから、自分の特性を知れば、社会適応して普通に暮らせるのではないかと思っていたけれど、それがなかなか難しいです」という相談がありました。卒業生は30才を超えていて、障害者雇用で新卒採用された会社にずっと勤めていますが、給与が十分ではなく、障害年金を受け取らないと、親亡き後の自立生活が難しい状態らしいのです。でも、職場定着をしていることから、障害年金は給付しないという結果が出て、非常に困っているということでした。
それを聞いて、「どうしたものかな~」とずっと考えています。支援には、援助(assistance)、支援(support)、擁護(advocacy)の3つの種類があるとされています。簡単に説明すると、援助は助ける、支援は支える、擁護は守ることです。障害年金を例にとると、年金を受け取るための申請作業を直接助けることが援助、本人が主体的に申請することを支えることは支援、年金を受け取れるように社会に働きかけることは擁護ということになります。
東京大学のバリアフリー支援室で行われている合理的配慮は教育を保障するもので、義務教育段階から積み重ねてきた学習を継続させるためにも必要な配慮です。大学という高等教育機関でこのような支援体制が整備されていることは称賛に値すると思いますが、その先の就労を見通した支援が望まれています。勉強と就労のスキルは全く異なります。勉強ができても、就労という社会適応に苦労している発達障害者が多いのも事実です。彼らの親亡き後の自立生活を保障するために、どのような擁護(advocacy)ができるのかを真剣に考えなければいけないな~と相談を受けて感じている今日この頃です。
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