織女と牽牛

織女と牽牛

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

今日は七月七日の七夕です。織姫と彦星が天の川を渡って一年に一度だけ会えるという伝説が有名ですね。中国では、それぞれ織女と牽牛と呼ばれています。

天空の主である天帝の娘で、機織りの名人だった織女は、牛飼いの牽牛と恋に落ちて結婚しましたが、お互いに夢中になり、働き者だった二人は仕事をしなくなったそうです。いちゃいちゃしすぎたのでしょうか。それに怒った天帝は二人を天の川の両岸に引き離します。織女は牽牛と会えなくなり悲しみに打ちひしがれてしまいます。それを不憫に思った天帝が、年に一度だけ二人が会えるように取り計らったのが、七夕なのですね。

この七夕を祭祀として伝えるお宮があります。大阪府交野市にある星田妙見宮です。平安時代に弘法大師が交野に来られた時に、天上より七曜の星(北斗七星)が三つに分かれて地上に降りたようです。その一つが星田妙見宮で、現在も降臨したと伝わる磐座を織女石と称してお祀りしています。

江戸時代に書かれた貝原益軒の『南遊紀行』には、「此谷のおくに、星の森有。星の社あり。其神は牽牛織女也」と星田妙見宮のことが記載されているらしく、一年に一度しか会えない織女と牽牛が腹を立てて、この地上に降りてきたのかもしれないなあと思ったりもしています。

お互いに好きなら、それでいいじゃありませんか。二人でいちゃいちゃして仕事をしなくなったとしても、いつかはハッと気づいて仕事をするようになるかもしれないのに。心は時間の経過とともに変化します。天帝はその変化を待ってあげられなかったのでしょうか。そのせいで、天上から星田妙見宮に二人が駆け落ちしたのかも……。そんな想像が膨らみました。

今で言う、天帝は毒親なのかもしれませんね。毒親というのは明確な定義はありませんが、一般的には、子どもへの過干渉、過度な管理、支配、価値観の押しつけなど、子どもにとって『毒』になる親のことをいいます。まさに天帝は、織女への過度な管理や支配を行ったといえましょう。

でも、その天帝の行為によって、七月七日の七夕の伝説が生まれたわけですから、それはそれで良かったのかもしれません。今夜の織女星(ベガ)と牽牛星(アルタイル)を眺めながら、フロイトの言うところの「愛することと働くこと」を両立することが大切であることを思い出してみてください。

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