適応障害

適応障害

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

適応障害の復職について支援者からご相談を受けました。どのような内容かというと、適応障害の当事者は自分を変えるつもりはなく、まわりに変わってほしいと要望し続けるので、非常に調整が難しいというのです。私もリワーク支援をしていますので、あ~そういう方がいらっしゃるな~と思いました。

適応障害というのは、明確な原因となるストレスが始まって3か月以内に症状が出現します。抑うつ気分、集中力の低下、情緒的な不安定さなどの症状があり、遅刻や欠勤などで休職に至ることがあります。上司から叱られたり、人間関係がうまくいかなかったり、仕事でのミスが続いたりと、そのストレス因は明らかです。だからこそ、そのストレス因をなくすために、まわりに変わってほしい、業務を変えてほしいと要望するのですね。

復職要件を検討する際には、軽易な業務に従事してもらうか、配置転換をして傷病の回復を待つという配慮を行いながら、模擬出勤、通勤訓練、リハビリ出勤と徐々に勤務時間を長くしていきます。1週目は2時間、2週目は4時間、3週目は6時間、4週目は8時間という具合にです。

その際には、ストレス因を具体的に把握してもらい、そこから遠ざかることができるように調整を行います。そして、規則正しい生活を心がけて、ムラなく業務を遂行することを目指してもらいます。ここで、ムラなくというのがポイントになります。やりたい業務だけこなすのではなく、軽易な業務はムラなくやってもらうのです。仕事というのは自分の好きなことだけやっていれば済むというものではありませんから。そして、適応障害が完全に良くなるまで治療を止めないことを、復職の段階で約束してもらうことも大切です。

もともとストレス因にうまく対処できないために、症状が出てしまうことがほとんどですので、その対処法を身につけることが、疾患を再燃させないために必要になります。この適応障害の治療に有効なのが、認知行動療法であると言われています。

これは、人間の「気持ちや体」が「考えや行動」によって影響を受けるという理論に基づき、考えを変え、問題に対処する行動をすることによって、気持ちや体を改善させる方法です。考えを変えていく認知的技法には、読書療法、認知再構成法、スキーマの修正等があり、行動を変えていく行動的技法には、セルフモニタリング、活動スケジューリング、問題解決、対人関係の改善等があります。

いかに考え方を変えていくのかが大切なのですね。でも、これが難しい……。人それぞれに考え方のクセがありますから。時間をかけて根気よく気持ちや体を改善していきましょう。

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