唐辛子

唐辛子

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

先日ランチをしながら晩酌の話をしていた時に、「お酒のアテがない時は、唐辛子をそのまま食べながらビールを飲むんですよ」とおっしゃる方がいました。「え~っ!」私は辛いのが苦手なので、想像するだけで顔が歪みます。

唐辛子は、メキシコ原産の辛みのある香辛料であり、また野菜として食用にされることもあります。和名の唐辛子は、外国を指す「唐」から伝わった辛子(辛いたね)の意味だということです。まあ、何しろ辛いのです。それをそのまま食べるとは、まあ、なんと!

この唐辛子について、「世界で1000年生きている言葉」という本には、次のような言葉が紹介されていました。

“真実は唐辛子だ。それを浴びせられると目をこすることになる”

これはアフリカ大陸の西部に位置するセネガル共和国の言葉です。首都はダカールで、パリ・ダカールラリーの終着駅としても知られています。北東部から中部にかけてはサハラ砂漠の南端にあたるので乾燥気候です。この国にある唐辛子を使った言葉が、真実は唐辛子だ!

唐辛子を持った手で目をこすると大事故が起こります。ヒリヒリして目が開けられません。防犯用に唐辛子入りのスプレーが売られているほどですから。

つまり、現実や真実を直視することは、時として勇気や痛みが伴います。ヒリヒリして目が開けられないほどです。顔を背けたくなるようなこともありますね。それでも、劇的な痛みに堪えて、前を見て歩き出すことで、また人は少し強くなれるのもしれません。

真実は人の数ほどあります。人は、一人ひとりみな違いますから、一人ひとりが持つ真実もみな違います。その真実はその人の心というフィルターを通して見た景色です。真実はその人の心の映し鏡でもあります。だから、その人の真実の物語を聞けば、その人の心を垣間見ることができます。

それぞれの真実をそのまま聞くと、まあ辛い!劇的な痛みを伴うこともあるけれど、それでもビールを飲みながら、その辛い唐辛子を楽しむ人がいるのです。

ピリリと辛い真実も、ビールと共に楽しむように、じっくり味わい尽くすと、また乙なものなのかもしれません。人生の後半には、そんな楽しみ方を覚えてみたいと思っています。

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