継続は力なり

継続は力なり

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

今週のはじめに「犯罪被害者等支援のハンドブック作成のための検討会議」に講師兼アドバイザーとして招かれましたので、高知県まで日帰りで行ってきました。

犯罪被害者等支援のハンドブックは、平成19年の犯罪被害者等施策推進会議で、犯罪被害者支援に携わる機関・団体の連携を強化するために、市区町村や都道府県レベルで作成し、その活用を図る目的で内閣府がモデル案を示し、ほとんどの都道府県がそのモデル案を参考にしながら横並びの内容で作成してきました。

三重県でも昨年度「三重県犯罪被害者等支援ハンドブック」を作成しましたが、内閣府のモデル案を参考にしながらも、内容や構成ともに検討を重ね、市町の犯罪被害者等総合的対応窓口の担当者が使いやすい工夫を凝らしたものになっています。この三重県のハンドブックを是非参考にしたいという趣旨で、高知県の検討会議に私が招聘されました。

会議では、資料として三重県のハンドブックを参考にした骨子案が示されました。委員からは、「この内容では難しいのではないか」とか「どうしてQ&Aはこの分量になったのか」などの質問がありました。ハンドブックをはじめてご覧になった委員からの質問としては妥当な内容だったと思います。

三重県では平成31年に「三重県犯罪被害者等支援条例」が制定され、その後に「三重県犯罪被害者等支援推進計画」が策定されました。そして、「犯罪被害に遭われた方々のための相談窓口一覧」や「犯罪被害者等支援施策集」の作成を市町に促し、窓口担当者への研修を重ねながら何度か照会した上で、「三重県犯罪被害者等支援ハンドブック」を作成したという経緯があります。ハンドブックという成果物のみをご覧になるだけではわからない積み重ねを、これまで地道に行ってきたからこそできた三重県のハンドブックなのですね。

何でも作ることは簡単です。思いつきから火がついて、ああしよう!こうしよう!とどこかから借りてきたものをつぎはぎにして、形にすることはそれほど難しいことではありません。でも、成果物を見れば、それがどれだけ考え練られたものであるかはすぐにわかります。そして、よく考え練られたものでなければうまく機能しないし、継続することすら叶わないことがあります。始めることは簡単ですが、継続することは本当に大変なことなのです。

また、人が3人寄れば社会が生まれると言われていますが、何事も自分の内側から出た時点でそれは公(オオヤケ)になると私は思っています。私の心や体は私のものですが、私から出たものはすべて私だけのものではなく、社会のものであると感じています。だからこそ、この社会が少しでも愛に満ちた優しい社会になるように、10年先、20年先を見据えながら発言し、無から有を創造するように心がけていきたいと願っています。まあ、これがなかなか思うようにはならないのですが・・・。

これまで私は、三重県の被害者支援をどのように充実させていくかを考えて、17年間支援者として活動してきました。でも、これからは県外の被害者支援のことを考えていく段階に入ったのかなあと思っています。私の内側にある拙い知識や経験が、少しでも被害者の方たちのお役に立つようなことがあるのならば、できる限りのことをしたいと思っている今日この頃でした。

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