見えている世界

見えている世界

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

ある火曜日の昼下がり、ランチをご一緒している方が「目が横についている動物は、どんな見え方をしているのでしょうね?」と呟きました。「えっ?目が横?牛って目が横についていましたっけ?牛のイラストって目が前に描かれていますけど」とトンチンカンな私はとっさに答えてしまいました。答えにもなっていないし、まずはそんなことを疑問に思ったこともありませんでした。

発達心理学を教えていた私は、赤ちゃんがどのような見え方をしているのは知っています。視力はあまり発達していないので、ぼんやり見えているだけ。目の焦点はお母さんに抱かれた時に、お母さんと赤ちゃんの目の距離の約23cmほど先に合うようになっていること。両目で見える範囲が立体に見えるようになっているので、赤ちゃんの見える世界は最初はほとんど立体ではないこと。ぼんやりしか見えないので、コントラストがはっきりしているところに目がいきやすいこと(髪の毛の生え際とか)。

でも、動物の見え方がどのようになっているのかは考えたことがありませんでした。それで少し調べてみました。

動物には肉食動物と草食動物がいます。

ライオンは肉食動物で獲物を逃がさないようにするために目は前についています。これは両目で立体に見える範囲を広くするためです。なので、ライオンは人間と同じような見え方をしているのだと思います。色はサルと同じように、カラーではなく一色にしか見えていないようですが。

シマウマは草食動物ですから、自分を狙ってくる肉食動物にいち早く気づいて逃げなければなりません。ですから、目は横についているようです。こうすれば視野が広くなります。ただし、両目で見える範囲は狭くなりますから、走っている方向しか立体には見えていないのです。そういえば、競走馬は走っている方向しか見えないように、ブリンカーという視界を制限する遮眼帯をつけています。これは後方や横側の視界を遮ることでレースに集中させる効果があるようです。ちなみに馬の視界は350度ほどらしいですよ。真後ろ以外はほぼ見ることができるということです。へぇ~っ、それは気が散るなあ~と思いました。

ウサギも目が横についていますが、ウサギの視野は馬よりも広い360度だということです。また、ウサギは前と真後ろに両目で見える範囲があるということで、さらにビックリです。でも、360度見えていても、ぼんやりしか見えていないんだろうな~と想像しています。私の裸眼の視力は0.1もないので、ぼんやりしか見えません。だからいつもぼんやりしているのですが、そんな私が360度見えていて、それも平面にしか見えず、それも一色で、近づいてくる物体にビクビクおびえながら、もぐもぐ草を食べている世界が、ウサギが見ている世界なのかな~と思いを巡らせた昼下がりの午後でした。

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