山の辺の道

山の辺の道

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

みなさんは奈良県にある山の辺の道をご存知でしょうか?柿本人麻呂や額田王、そしてヤマトタケルが歩いた現存する最古の古道として知られる道です。私は以前少しだけ山の辺の道を歩いたことはありましたが、今回は桜井駅から天理駅までの16kmを完歩しました。途中でお昼ごはんを食べたり、お饅頭を頬張るために休憩したりと、えっちらおっちら歩いていましたので7時間ほどかかりましたが、何とか歩き切ったことは少し自信になりました。

写真の秋桜は、桧原神社の近くにあるお茶屋さんに咲いていた秋桜です。桧原神社のご祭神は天照大御神ですが、伊勢神宮に遷られる前にこちらに鎮座していたということで、元伊勢とも呼ばれていて、天照大神若御魂神がご祭神だということです。この桧原神社は大神神社と同様、三ツ鳥居の先にご神体の三輪山があり、しっとりとした女性の原始的な美しさを感じることができます。まさに風に揺れる秋桜のような女性の美しさでした。

その後、天理トレイルセンターで少し遅めの昼食をとり、人気(ひとけ)が少ない石上神宮への道を急ぎました。一番きつい上り坂は、天理観光農園の辺りの上り坂で、たくさん歩いて疲労困憊している足にはとても堪えました。「頑張れ、頑張れ、ヨイショ、ヨイショ」とかけ声をかけながら、足を前に進めなければならないほどの上り坂です。そして最後の難関の石畳の急勾配を登り切れば、あとは下り坂……。石上神宮の鶏たちが見えてくればゴールです。と思いきや、着いたのが夕方だったのでコミュニティバスもなく、そのまま天理駅まで、重たい足を引き摺りながら歩きました。「頑張れ、頑張れ、ヨイショ、ヨイショ」です。

そんなこんなで、何とか16kmの古道を歩ききった後に、ふと思い出した歌がありました。桧原井寺池のほとりの歌碑に刻まれたヤマトタケルの歌です。

大和は 国の真秀ろば たたなづく 青垣 山籠れる 大和し麗し

ヤマトタケルが死を迎えた時に詠んだ辞世の歌です。大和は国のなかでもっともよいところで、重なり合った青い垣根のような山々のなかに籠っている大和は美しいと、懐かしむように大和に思いを馳せた歌です。山の辺の道を歩いていると、ヤマトタケルのようないにしえの人々の思いが、そこかしこに垣間見えるようでしたよ。その思いを感じるたびに、心のなかで「ありがとう」とささやきながら歩いた山の辺の道でした。

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