ギフト

ギフト

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

とても嬉しいことがありました。支援をしていた被害者のきょうだいからプレゼントをもらいました。たまたまそのご自宅にお伺いする機会があり、すでに働いている彼女は仕事を休んで私を待っていてくれました。そして、写真の手紙とハンカチをプレゼントしてくれたのです。喜びがこみ上げてきて、体いっぱい幸せに包み込まれたような感覚になりました。本当にありがたいことです。

犯罪被害に遭った子どもは、「自分が何か悪いことをしたからこんな目に遭ったのだ」と自分を責めることが多くあります。ですから、「あなたは何も悪くない」と伝えることが大切です。被害者のきょうだいも同様で、「自分が何か悪いことをしたから、きょうだいが被害に遭ったのだ」と思うことがあります。それが年長のきょうだいであれば、「どうして自分が守ってあげられなかったのだろうか」とか、「きょうだいではなく自分が被害に遭えばよかったのに」という罪悪感を抱くこともあるのです。

また、きょうだいが亡くなった場合は、周囲から「お母さんを支えてあげてね」とか「あなたがしっかりしないとね」という励ましの声をかけられて、自分は悲しい感情を表出してはいけないのだと、心をフリーズさせてしまって、少し時間が経ってから精神症状が出始めることも少なくありません。周囲の人たちが純粋に励ましたいと思ってかけた言葉が、きょうだいを生涯苦しめることがあるのです。

このような被害者のきょうだいは、子どもだから・・・という理由で、何もわかっていないから説明する必要がない、学校に行けるぐらい元気なのだから大丈夫、どう声をかければいいかわからない、寝た子を起こすようなことはしたくないなどと思われ、きょうだいへの支援はこれまでほとんどされてこなかったというのが現状です。昨年改正された神戸市の被害者条例では、委員に土師守さんが入っていらっしゃることから、きょうだいへの支援が明確にされました。やっと、その支援の必要性が認識されるようになってきたという印象です。

事件直後から4か月ほど、私は彼女にカウンセリングをしました。その後は、彼女が幸せになってくれることを願い、遠くから彼女の成長を見守ることぐらいしかできなかった私に、「会いたかったら仕事を休んだ」と言って待ってくれていた彼女の存在自体が神様からのギフトです。

被害者もそのきょうだいも、犯罪によって幸せになることを妨害されます。それまでの日常がことごとく破壊され、被害からの回復には長い年月を要します。だからこそ私たちは、被害者やそのきょうだいが、再び幸せな人生を歩めるように早期に適切に支援を行わなければならないのだと思っています。このブログを読まれた方が、被害者やそのきょうだいへの支援の必要性に気づいて下さると嬉しいです。

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