ウサギの運命

ウサギの運命

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

以前のブログで、高校時代にバスケットボール部のマネージャーをしていて、全国大会に出場したことを書きました。その時に初めて、コーチングの勉強をしました。35年ほど前のことでしょうか。

コーチングとは、一人ひとりの目標やテーマに対して、誰かが一方的に解決法を教えるのではなく、目標やテーマを持つ者とコーチが双方向からアイデアを出し合い、検討していくやり方です。もともとはテニスプレーヤーを養成する目的で始められたものが発端となり、その手法が指示待ち人間を抱えるビジネス界へ普及していったと言われています。

カウンセリングとコーチングの違いは、カウンセリングは現実生活への適応をテーマとして傾聴することが主になりますが、コーチングは本人の「こうありたい」という自己実現を伴う目標設定に沿いながら、様々な質問を投げかけ、答えを導き出す手助け(支持)をすることが主になります。私はクライエントの方の状態を見ながら、カウンセリングを補完する形でコーチングの手法を使うこともあります。例えば、お子さんの再登校や、発達障がいをお持ちの方の就労支援をする場合などに用いることが多いです。

18年前に出版された伊藤守さんの「もしもウサギにコーチがいたら」はおもしろい本でした。イソップ物語のウサギとカメのお話はみなさんご存知だと思いますが、もしもウサギにコーチがいたら、ウサギの運命は変わっていたかもしれないという視点で書かれたものでした。

その中でウサギの特徴を7つ挙げています。①ウサギの耳は長いだけ、②聞きたいことしか聞いていない、③説教なんか聞きたくない、④ニンジンにしか興味がない、⑤何が問題かわからない、⑥自分の理屈でしか動かない、⑦自分の話は聞いてほしいというものです。ちょっとウサギがかわいそうな気がするような書かれ方ですが、なるほどこういう人たちもいらっしゃるな~と当時思ったことを覚えています。

上記のような特徴を持つウサギですが、それぞれの考え方や感じ方は異なります。だから、それぞれのタイプに合うコーチングの方法も違うのですが、どのウサギにも共通するコーチングのスキルは、聞く、質問する、要望する、承認するという4つだそうです。やはりどんなウサギも認めてほしいのですね。

「認める」の語源は、「見・留める」だそうです。どんなウサギも「私をしっかり見てください。そして、あなたの心に私を留めてください」と願いながら、毎日を過ごしているのかもしれません。あなたのことをしっかり見て心に留めてくれる人と出会えたら、人生が少し変わるかもしれませんね。

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