あんぱん

あんぱん

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

朝の連続テレビ小説「あんぱん」をたまに見ています。「あんぱん」は、アンパンマンの作者・やなせたかしさんと妻の暢さんをモデルにした物語なのですが、先週は戦争のシーンが多くて、見ていてとても気分が重くなりました。

たかしさんが戦争から戻り、学校の先生をしていた暢さんが、これまでこどもたちに教えていたことが間違いだったことを悔やみ、自分は生きていてもいいのか、自分はどうするべきだったのかとたかしさんに問いかける場面がありました。

そのときに、たかしさんは「正義の戦争なんてない。味方も敵も仲間もみんな死んでしまった。もし、ひっくり返らない正義があるとするならば、それは人を喜ばせることだ。だから、これからは人を喜ばせるために生きたい」という言葉を発したのです。きっとこの思いがアンパンマンの原点になっているのだろうなあと思いました。

「正義」という言葉を聞いて、橘玲さんの『バカと無知』という本を思い出しました。人間は自分が絶対的な正義だと思い、相手は絶対的な悪だと思うのです。また、加害者は自分のことを加害者だと気づかず、被害者は少しのことでも自分を被害者だと思い込む傾向があるとその本には書かれていました。

その通りだと思います。戦争のときはお国のために戦うのが正義で、生きて帰れと言うと非国民つまり悪だと非難されました。戦争に負けた途端、それまで使っていた教科書は墨で真っ黒に塗りつぶされ、すべては間違いだったと弾劾されたのです。正義は時代によってかくも簡単にひっくり返されるのです。

個人の正義もまやかしです。人によって考え方や価値観は異なるし、正義の押し付け合いをすることで、お互いに傷つけ合う光景をよく目にします。何が正義なのか本当にわからないと思うことはしばしばです。自分のことを決めるのは自分で、他人が決めることではないのに、正義を振りかざし他人をコントロールしたい人がなんと多いことか・・・。

本当の正義とは何でしょうか? それは、I am OK. You are OK.という自他尊重の態度で、たかしさんの言う通り、相手を喜ばせることが、どのような時代でもひっくり返らない正義なのだろうと思います。お腹が空いた人に、自分の顔をちぎって「あんぱん」を差し出して相手を喜ばせること、それこそが本当の正義なのでしょう。相手をやりこめたり、攻撃したり、傷つけることは、いつの時代でも正義ではないのです。

人を平気で傷つける人には厳しくしなければならないときはありますが、できる限り相手を喜ばせる人でありたいと私は思っています。

with k 4E #496