混声合唱団

混声合唱団

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

先日、以前勤めていた大学の同僚が混声合唱団のスペシャルコンサートに出演しました。コンサートのタイトルは「歌の贈り物」です。コロナ禍でなかなかコンサートを開くことができなかったので、これまでの想いを歌にして届けたいということで、プログラムは団員からリクエストを募り、専属指揮者が選曲したそうです。

第七波の影響からか、マスクをしながらの合唱でした。呼吸がしづらい中で、想いを届けたい一心で歌うみなさんの姿に心を打たれました。私たちには肉体があって肺のポンプを動かしながら呼吸(息)をしています。そして、喉にある二枚の声帯に息がかかると音が出るのですが、声帯から生まれた音は喉の中、口の中、鼻の中を通って響きながら声になって外へ出て行きます。でもね、せっかく体の中で響かせてきた声が、マスクで阻害されていたのはもったいない気がしましたよ。

さて、団員の人たちがリクエストした曲の中に、2009年のNHK連続テレビ小説「だんだん」の劇中歌♪いのちの歌♪がありました。この曲の歌詞で私が好きなのは、♪いつかは誰でも/この星にさよならを/する時が来るけれど/命は継がれてゆく♪というフレーズです。これを聴くと、私たちはこの星である地球にさよならをする時が必ず来るという真実が潔く語られている気がして、思わず納得してしまうのです。不思議ですね。

私たちがこの星で生きてゆくことの意味を常に自分に問いかけながら、それでも息をしながら生きていることの真実。生まれてきたからには、誰かに何かを届けたい、伝えたいと思いながら何かを表現し続けている真実。苦しく楽しいこの人生を誰かと共に愛し合い寄り添いながら歩いて行きたいと願う真実。そして、いつか必ずこの星にさよならをする時がやってくることの真実。このような真実が♪いのちの歌♪には詰まっているな~と思いながら聴いていました。

私はいつこの星にさよならをするのでしょうか。あ~、もうすべてやり終えてしまったわ~と思った時に自然にさよならをするのでしょうか。そういえば、仏教では死ぬことを往生と言いますが、これは現世を去って自然(じねん)に還ることを意味します。この星を出て、元の自然に戻るということなのですね。

何事も自然に任せて、心のおもむくままに生きていれば、流れ流れて元の自然に戻れるのです。その流れの中で誰かと出会い、交わりながら、思いを繋げていくのが私たち人間なのかもしれないな~と、混声合唱団の歌声に気づかされました。感謝です。

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