太陽と引きこもり

太陽と引きこもり

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

今日は春分の日でした。昼と夜の長さが同じになる日で、レイライン(光の道)という北緯35度22分のライン上から日が昇り、日が沈む日でもあります。このレイラインは、太古の遺跡が意図的に直線状に並ぶように配置されたことを指し、古代イギリスの巨石遺跡群を研究する考古学者が提唱したようです。

日本にもレイラインがあることが知られています。日が昇る東の端から、玉前神社~寒川神社~富士山~身延山~伊吹山~竹生島~元伊勢~大山~そして、出雲大社で日が沈むというレイラインです。若干のズレはあるようですが、ほぼ一直線に日本を代表する聖地が並んでいることから、修験道や密教の世界では古くから「ご来光の道」とされています。

私たち日本人は、お日さまに手を合わせることを自然と行う民族です。元旦の初日の出のご来光から新しい一年を始め、伊勢神宮の内宮には天照大御神が祀られていて、太陽を信仰してきた長い歴史を持ちます。太陽が昇るとホッとするのは普遍的無意識がなせる業なのかもしれませんね。

この太陽の女神さまでもある天照大御神ですが、弟の須佐之男命が田んぼの畦を破壊し、馬の皮を剥いでしまうなどの、好き勝手に振る舞い続けるのを見て、いい加減にしてほしいという一心で天岩戸に引きこもってしまうという物語は有名なお話です。太陽が隠れてしまうわけですから、作物が育たず、病気が流行するなどの大変な騒ぎになりました。

そこで、天鈿女命(アメノウズメノミコト)が、「楽しそうにしていれば、様子が気になって天照大御神も出てくるのでは?」と、招霊(オガタマ)の木枝を振って舞い、他の神々がひたすら騒ぎました。そうすると、気になった天照大御神が顔を出したのです。まさに、引きこもりの天照大御神が、楽しさに導かれて、引きこもりを脱した瞬間でした。

引きこもりという言葉は日本にしかないと聞いたことがあります。欧米では引きこもりは問題にならないということです。だって、自分の意思で「引きこもろう」と決めたことであれば、その人の意思が尊重されるのは当然のことなので、特に問題にはならないのです。引きこもりたくなる時期もありますし、もう外に出ようって思う時期もあります。その人にはその人のタイミングというものがあるのだと思います。

でも、社会的にそれは望ましくない、健康的ではないという理由で、あ~でもない、こ~でもないと大騒ぎをして、引きこもりがまるで問題である、もっと言えば悪であるという風潮があったりします。「どうぞ、思う存分引きこもってください」と言えば、「ありがとう、出たくなったらまた出ます」と自然に答えられるのではないかと思います。

さらに、外で楽しそうな世界が繰り広げられていたら、「出たい!出たい!」とすぐに飛び出してくるのかもしれませんよ、天照大御神のように。そして、外に出れば光り輝く太陽のように、まわりの人たちを照らし始めるかもしれません。待ってみることが必要な時があるのかもしれませんね。

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