奇跡

奇跡

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

一つ前のブログで、ノーラ・エフロンの「人生の残りの時間を『誰かと過ごしたい』と気がついたら、その人との人生をできるだけ早く始めたいと思うものです」という愛のことばをご紹介しました。

その日にネットを見ていたら、林真理子さんが『奇跡』という本を出版したとニュースが出ていましたので、すぐに取り寄せて読んでみました。それは記事の中に「僕たちは出会ってしまったんだ」というフレーズを見つけたからです。

この物語は、前妻と離婚調停中の男性と、婚姻中で幼い子どもを持つ母親である女性との愛の実話でした。あまりにもノンフィクションとして書かれていて、ファンタジーの要素が感じられなかったので、個人的には作品としてあまり感銘を受けることはありませんでした。

でも一点だけ印象に残っているのは、出会ってから十年経って、一度も離婚をしてほしいと口にしなかった男性が、女性が離婚を決意したときに「(早くしてくれないと)僕、死んじゃうよ」と口にしたという瞬間でした。ノーラ・エフロンのことばを思い出し、本当は早く始めたかっただろうに、と想像しました。

複雑恋愛の是非については、十人いれば十通りの考え方や価値観があるのだろうと思います。でも、運命の人と出会ってしまったのならば、二人の関係が始まってしまうのは自然なことなのかもしれないな~と、50代になってから感じるようになりました。

人間にはコントロールできない領域が、この世にはあるのだと体感的に理解しています。

そういえば、新型コロナ感染拡大のため最初の緊急事態宣言が出された頃、朝の散歩中に何気なく聴いていた歌詞が、心に響きわたり号泣した一瞬がありました。上白石萌音さんが歌う「なんでもないや」の歌詞のフレーズです。

♪君のいない/世界にも/何かの意味はきっとあって/でも君のいない/世界など/夏休みのない/八月のよう/君のいない/世界など/笑うことない/サンタのよう/君のいない/世界など♪

その人がいてくれるから、自分がここに存在する意味を感じられる・・・そんな人がこの世界にいて、今この瞬間出会うことができている・・・それこそが、きっと奇跡なのだろうと思います。その人と最期の時を共に過ごすことができるのは、この世に生きる最高の幸せなのかもしれません。

作中のお二人は、男性がガンで亡くなるまでの3年間を共に過ごすことができたということです。よかったですね。

with k 4E