モクレンのなみだ

モクレンのなみだ

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

明日は3月20日、春分の日です。春分は二十四節気のひとつで、一年のはじまりの季節です。二十四節気とは1年を24分割した暦で、その時候ごとにふさわしい名前がつけられています。この日は、昼と夜の長さが全く同じになり、この日を境に昼がどんどん長くなっていきます。私はお日様のことを「おひぃさん」と呼んでいますので、「おひぃさんが長なったな~」と呟きながら、毎朝散歩をしています。

昼と夜の長さが同じになる時は、太陽が真東から昇り真西に沈みます。この真西に太陽が沈む時期は、ご先祖さまが住んでいる極楽浄土と現世が交流しやすいと考えられていたため、春分の日と秋分の日を中日として前後3日を合わせた7日間のことを「彼岸」といい、お墓参りをする習慣ができたといわれています。暑さ寒さも彼岸までという言葉があるように、この日を境に季節が変わっていきます。

昨年の春分の日は、得体の知れない新型コロナウィルスで世界中が混乱していましたので、心がざわざわしていましたが、今年の春分の日は少し落ち着いて過ごせそうです。毎朝見かける菜の花や水仙の黄色が、昨年よりも鮮やかに感じられるのは私だけでしょうか。

春分の植物といえば、木蓮があります。木蓮は春分の頃から4月末頃まで咲く花で、地球上でもっとも古くからあり、白亜紀の地層から花の化石が発掘されています。また、木蓮のつぼみは決まって北を向いているのでコンパスフラワーとも呼ばれているようですよ。不思議ですね。

木蓮といれば、スターダストレビューの「木蘭の涙」という曲があります。もともと中国では木蘭と呼んでいましたが、モクランがモクレンに変化して木蓮になったと言われています。この「木蘭の涙」は、♪いつまでもいつまでも/側にいると言ってた/あなたは嘘つきだね/わたしを置き去りに~♪という、愛する人に先立たれた悲しさを歌っています。

昨日は、交通事件で愛する人を亡くされたご遺族のお話を伺っていました。愛する人を突然亡くされたショックから、動けなくなってしまわれたようです。それは自然なことです。誰しも悲しみに打ちひしがれ、何もすることができなくなります。そんな時は、何もしなくていいような気がします。昔話の「三年寝太郎」ではありませんが、三年動かずとも季節は流れ、いろいろなことが変化していきます。そうすれば動けるようになる時がやってきます。とにかく生きてさえいればそれでいいのだと思います。

明日は春分の日。極楽浄土から亡くなった愛する人が夢に出てきてくれるかもしれませんね。冷たくなるまで側にいたいと思える人がいる幸せを噛みしめながら、亡くなった愛する人たちに会うために、明日はお墓参りをしようと思っています。

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