香りコレクション

香りコレクション

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

今回の写真は私の香りコレクションです。中央は九谷焼の香炉です。右回りにアロマオイル、比叡山延暦寺で購入した塗香、そしてときどき焚くモーニング・ローズのお線香です。私は雨の香りが好きなので、アロマオイルはヒマラヤスギ、サンダルウッド、レモンを調香してもらいました。モーニング・ローズは朝霧が輝くローズペタルの繊細で心とらえる華やかな香りと商品説明がされています。少し湿ったような香りが私は好きです。

この香りの成分はおもに脳や皮膚を通じて、私たちの心やからだに働きかけます。香りの成分は嗅覚を通じて脳に届きます。香りの刺激が脳に届くまでの時間はなんと0.2秒以下なので、嗅覚はとにかく原始的な感覚に近いと言われています。通常の刺激はまず脳の視床に集められ、そこからそれぞれの脳の領域に情報が運ばれていくのですが、嗅覚だけはなぜかこの視床を通らず、ほぼダイレクトに脳へと伝えられるのです。

香りといえば、新型コロナウィルス感染症の後遺症で、嗅覚障害が生じることがあるようです。鼻閉や鼻汁といった鼻炎症状とともに嗅覚障害が生じる場合だけでなく、鼻炎症状がないにもかかわらず重度の嗅覚障害だけが生じたという報告もあるようです。この嗅覚障害が生じるメカニズムとしては、通常のウィルス性感冒と同様に、鼻粘膜の浮腫、鼻汁といった鼻炎症状による匂いを感知する嗅細胞まで、匂い物質が到達できないことが原因の可能性が考えられます。人間は約4万種類の匂いを嗅ぎ分けると言われていますが、鼻の通りが悪いと、匂いが脳まで到達しないことがあるのですね。

私は犯罪被害者支援をしていますので、PTSD症状のフラッシュバックのトリガーになるものの一つに匂いが関係している話を身近で聞いています。例えば性暴力被害に遭った方から、加害者がつけていた香水の匂いがすると、被害に遭った場面がフラッシュバックしてフリーズしてしまうとか、ご家族のご遺体を確認した時の死臭を今でも忘れられないとか。被害者支援だけでなく、昔おつき合いしていた彼女がつけていた香水の香りで楽しかった頃を思い出すということもありますね。瑛人さんの「香水」という曲の歌詞でしたでしょうか。

病気にも匂いがあることが報告されています。外崎肇一さんの著書に、精神分析医が言うには、統合失調症の人は汗にトランス-3-メチルヘキサンが含まれるために、匂いで判断できて、逆に統合失調症で嗅覚が異常に鋭くなった人は、自分に敵意を持っている人が匂いで分かるらしいと書かれています。何だか不思議なお話ですね。

私の香りコレクションから、精神疾患にまつわる匂いに発想が飛びました。ブログを書いていると新たな気づきが生まれますので、とても楽しいです。みなさんもそれぞれの思いを文章にして発信してみてはいかがでしょうか?ご自身の内観につながるかもしれません。また、ご自分の好きな香りをこれを機に探してみるのもおすすめします。その香りがどのような記憶に結びつくのかを考えるとちょっとワクワクしたりして。

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