創造するということ

創造するということ

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

私は20代の頃に、美術関係の仕事をしていたこともあり、よく美術館や展覧会に足を運びます。作者の実存をかけて生み出される絵画や彫刻などに心動かされるあの瞬間がとても大好きです。

現在は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、閉館を余儀なくされている美術館がたくさんあります。ルーヴル美術館もその一つです。

15年以上前のことになりますが、パリを旅行した時にルーヴル美術館に立ち寄りました。
その時に見た「サモトラケのニケ」が今でも強烈に印象に残っています。あの美しさや荘厳さは心を離れません。

また、どんな人が「サモトラケのニケ」を作ったのか思いを馳せることがあります。

精神医学者のエレンベルガーが「無意識の発見」という著書の中で「創造の病(クリエイティブ・イルネス)」に触れていますが、何かを生み出す際には大変な心の作業が伴うものです。フロイトもユングも中年期に病気を克服して、創造的な仕事を成し遂げています。

あの「サモトラケのニケ」の圧倒的な美しさを生み出した作者は、どのような「創造の病(クリエイティブ・イルネス)」を経験したのでしょうか。様々な想像をしていますが、残念ながら、これは永遠にわからないままですね。でも、わからないからより心惹かれるのかもしれません。死ぬまでにもう一度「サモトラケのニケ」に会いにいけたらと思っています。

カウンセリングを受けたいと思われる方も、心に悩みを抱えている人たちです。カウンセラーと共に、自分自身と向き合い心の作業していくプロセスの中で、新たな自分を生み出していきます。これもまたある種の「創造の病(クリエイティブ・イルネス)」なのだと思います。その悩みが大きければ大きいほど、大きな創造があるかもしれませんね。

是非、ご一緒に心の作業をしていきましょう。