トナカイ

トナカイ

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

この写真は愉快な仲間たちが送ってくれました。ブログに掲載する写真を送ってもらうために立ち上げたグループラインのアルバムは、この写真を載せる前にどうやら一杯になってしまったようです。愉快な仲間たちに感謝です。

写真はシベリアトナカイでしょうか。ニホンジカの枝角は三つ叉までしか分かれないということですので、こんなに立派な枝角の持ち主はシベリアトナカイと推測します。

シベリアの先住民は、トナカイをシャーマニズムとしてその哲学や伝統文化そして宗教儀礼に利用してきました。立派な枝角は力の象徴となり、同時に武器にもなりましたから、精霊の儀式に使われるのは想像に難くありません。

埋葬の儀礼にもトナカイはいけにえとして捧げられてきました。死者には次の世界へ渡るための乗り物が必要だと考えられていたようで、シベリアの人たちがトナカイをその役割として見なすのも理にかなっているような気がします。

写真のトナカイも、光り輝く太陽を見上げていて、その神々しさが際立っています。トナカイの側からしてみれば、死者を送るために自分自身のいのちを奪われるわけですから、たまったものではありません。私たち人間が他のいのちを奪ってしか生きられない、いのちの儚さや、光と影を感じます。

以前のブログで亀井勝一郎さんの“一番深い愛”を紹介したことがありました。その一節が頭に浮かびましたので、再掲したいと思います。

「死に直面してはじめてわれわれはその人のさまざまな願いや行いや仕事の意味をはっきり知る。死は人間の生命を完璧に語る。死んでみてなるほどああいう人間だったのかということがいよいよはっきりして愛情の涙を流す。ところでもしこの世で一番深い愛があるとすれば、死してはじめて語ることができる願いを、生きている生身のまま感じる~これが一番深い愛というものではなかろうか」

安倍元首相を送った管義偉さんの弔辞には惜しみない拍手が送られたと聞いています。管さんの弔辞は、死者を送るためのトナカイのような役割を果たしたのかもしれません。そして、死してはじめてわかる故人の願いを感じることができた深い愛が表れていたような気がします。

みなさんの願いは何ですか?そしてあなたの愛する人の願いは何ですか?生きている今この瞬間、生身のまま感じてもらえたらと思います。

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