空の巣症候群
空の巣症候群

オンラインカウンセリングのカナムーンです。
ドキュメンタリー映画「グリーフケアの時代に~あなたはひとりじゃない~」を観てきました。大切な人を亡くした人たちやその支援者がご自身の体験とグリーフケアの重要性について語る感動的な映画でした。大切な人を亡くすというのは紛れもない喪失体験です。その大きな喪失から、もう一度自らの人生を再構成することは時間のかかる心の作業なのですね。
大きな喪失ではないにしても、私たちは毎日喪失体験をしています。生きる時間は毎日減っていくし、食べる物も食べてしまえば無くなります。物を失うこともあるし、失敗することも喪失体験の一つです。ですから、私たちの日常は喪失の連続でもあります。でも、慣れてしまえるぐらいの小さな喪失なので、あまり気にならないのかもしれませんね。
喪失といえば、私がまさに直面している喪失に“空の巣症候群”があります。これは、子どもが成長し、独り立ちすることをきっかけに、言葉にできないような寂しさを感じることをいいます。ヒナが巣立った後の「空の巣(empty nest)」に似ていることが、このように名づけられました。子育てを終えた40代~50代の親の適応障害の一種です。
この原因はまさに喪失体験です。子どもを自立できる立派な大人に育てるという目標の喪失と、これまで子どもを育ててきたという親としての役割の喪失が、この感情を生み出します。子どもが巣立って胸にぽっかり穴があいたような状態でしょうか。自立したのは嬉しいけれど、何だか寂しいのです。
ここから心身の不調が始まる人もいます。「なぜだかわからないけれどやる気が出ない」「涙が止まらない」「むなしさがある」「体調がすぐれない」などを感じている人がいれば、もしかしたら“空の巣症候群”かもしれませんね。放っておくと、うつ病に発展していく人もいますので、誰かにその心情を吐露していただければと思います。
私も、息子が大学に進学することになり、今月末に家を出て一人暮らしを始めることが決まりました。これまで仕事をしながら子育てをしてきましたので、まったくの子ども中心の生活というわけではありませんでしたが、家に息子がいることが当たり前の生活をしてきましたので、その存在が家からいなくなるという喪失体験を、まさに現在進行形で味わっているところです。
最近妙に寂しくなることがあり、「これが“空の巣症候群”なのね!」と、この感情を味わっています。これからは離れて暮らす息子との関係を再構成していく作業を行っていくことになるでしょう。ここまでどうにかこうにか育ってくれた嬉しさと離れることの寂しさという相反する複雑な感情も、面白がりながら体験していきたいと思います。でも、やっと親の役割を終えることができるので、「これからは自由!」と何だかワクワクしている自分もいます。人間の感情は複雑ですね(笑)。
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