移行支援

移行支援

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

今日は2022年3月11日。未曾有の被害をもたらした東日本大震災から11年経ちました。2万2千人以上の方が犠牲になり、今もなお3万8,138人の方が避難生活を余儀なくされています。ここに犠牲になられた方のご冥福をお祈りいたします。

また、遺された多くの方が今日命日を迎えることになりますので、命日反応と呼ばれる記念日反応を体験されることと思います。

記念日反応とは、亡くなった人の命日や誕生日、結婚記念日など、思い出が深い特別な日が近づくと、気持ちが落ち込んだり、体調が崩れたりするなど、亡くなった直後のような症状が再現する反応で、ある意味自然な反応でもあります。

犯罪被害者の支援者は、これらの記念日反応には敏感で、その日が近づくとご連絡を差し上げたり、お仏壇にお参りに行かせていただいたりと、その日を共に過ごすことがあります。支援者は支援に入るタイミングをいつも気にかけておく必要があるのですね。

タイミングと言えば、学校ではもうすぐ新学期が始まります。次年度に向けての準備が着々と進められている時期に、配慮や支援が必要な子どもの申し送りをするために、私はいくつかの学校に出向くことがあります。

今日もこれから高校と小学校に配慮のお願いに向かいます。

一人は犯罪被害者のご遺族で、もう一人は発達障がいのお子さんです。あまり詳しく書くことはできませんが、どのような配慮が必要で、学校は何ができて何ができないのか、そして今後連携をどのようにしていくのかの確認を行います。いわゆる、移行支援という作業です。

発達障がいのお子さんは、現在小学校低学年なのですが、毎日泣きながら宿題をしているというお話をお母さんからお伺いして、それはあまりにも可哀想だということで、学校側に配慮のお願いに行くことになりました。小学校低学年の子どもなのに、毎日楽しく過ごせないというのは、あまりにも子ども時代を守ってあげられない大人の無責任さを実感せずにはいられないのです。

そのお子さんはワーキングメモリーの機能を働かせることが苦手で、複雑なことを覚えていられない特性があります。画数が多い漢字などもワーキングメモリーや視空間認知の問題で、アウトプットが難しいという課題を抱えています。これらを学校側に説明して、宿題の出し方や指示の出し方などの配慮をお願いしてくる予定です。

この移行の時期にタイミングよく支援に入ることで、子どもの環境調整ができれば、次年度からスムーズに登校できる可能性が高まります。支援者のみなさんはタイミングを外すことなく、子どもたちの支援をお願いしたいと思います。

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