犯罪被害者週間

犯罪被害者週間

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

11月25日から12月1日は国の「犯罪被害者週間」です。犯罪被害者等基本法の成立日である12月1日以前の1週間に、犯罪被害者等が置かれている状況や犯罪被害者等の名誉または生活の平穏への配慮の重要性等について理解を深めてもらうことを集中的に啓発します。三重県でも、同じ期間を「犯罪被害を考える週間」とすると条例で定めています。

この三重県の条例は、「三重県犯罪被害者等支援条例」と言いますが、この制定を目指して私が活動し始めたのは2015年9月でした。三重県知事や担当部署に条例制定をお願いしたり、シンポジウムを開催したり、被害者支援に理解のある議員さんに県議会で一般質問をしてもらったりとさまざまな活動を行いましたが、最初は状況がビクとも動きませんでした。「私が生きているうちに条例ができるかな~」と思うぐらいでした。

それが、2018年6月に朝日町女子中学生殺害事件のご遺族が民事裁判の記者会見に合わせて、三重県知事に条例制定のお願いの手紙を送って下さったことがきっかけで、急激に山が動き始めたのです。ご遺族と知事との面談後、あっという間に検討懇話会が立ち上がり、私はその委員でもありましたが、その翌年の2019年4月1日には「三重県犯罪被害者等支援条例」が施行されました。

そして、ご遺族の「三重県内の29市町の首長を訪問して条例制定をお願いしたい」という希望もあり、私も一緒に首長訪問を始めたのが2018年7月でした。私が訪問日を調整し、犯罪被害者支援センターにご遺族の送迎をしてもらい、だいたい1か月に1か所のペースで訪問しました。当初は途方もない長い道のりだな~と思っていましたが、2020年12月3日で29市町の首長訪問を一巡し終える予定です。

この話を知り合いにした時に、「生きているうちに条例ができるとは思っていなかったし、29市町回り終えたら私のお役目が終わる気がするから、もう死んでもいいかな~」なんて言ったら、「ホントにおもしろいことを言うよね~」と笑われました。

私たちは、気をつけていたら加害者にはならずに済むかもしれませんが、被害者にはいつなるかわかりません。加害者は意思を持って加害をしますが、被害者には被害に遭おうという意思はまったくないのです。悪いのは加害者であり、被害者は悪くありません(若干の例外はありますが)。だからこそ、被害者は犯罪に巻き込まれる以前の平穏な生活を保障されなければならないし、その名誉を守られなければならないのです。条例はそのために必要なものであり、被害者にいつなるかわからない私たちにとっての保険のようなものなのです。

29市町の首長訪問を終えたら、ちょっと休憩したいな~と思っています。でも、藤井風さんの♪あ~全て与えて帰ろう あ~何も持たずに帰ろう♪の歌詞のように、私が持っているものをカッスカスのスッカスカのパッサパサになるほど出し尽くしてから、自然(ジネン)に還るのも味わい深いのかな~と思うところもあるので、次にできることを少しずつ考えていきたいと思う、私にとっての「犯罪被害者週間」でした。

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