六つの顔

六つの顔

オンラインカウンセリングのカナムーンです。

94才の人間国宝の狂言師・野村万作さんの映画「六つの顔」の上映が始まりました。万作さんが大好きな私としては、何とかして観に行きたいと画策しているところです。

私が初めて万作さんを知ったのは、1993年にNHKスペシャルで放送された「最後の“狐”に挑む」という番組でした。私が25歳の頃の話です。それ以前から、能や狂言に興味があり、東京タワーの近くにある増上寺の薪能を観に行ったり、国立能楽堂に足を運んだりしていたのですが、この番組を見て万作さんの虜になったことを覚えています。

番組で紹介されていた演目は「釣狐」で、一子相伝の秘目と言われているものです。1時間15分もの大曲で、演じて初めて狂言師として一人前と認められるほど、難しい演目です。あらすじは、次のとおりです。

猟師に一族をみな釣り取られた老狐が、僧に化け、猟師に狐釣りを止めさせようと説得しに行きます。狐が化けた僧は、狐が本来神であること、退治された狐の執心が動物や人間を取り殺す殺生石(せっしょうせき)になった故事を語り、その話を聞いて恐ろしくなった漁師は狐釣りを止めると言います。うまくいって喜ぶ狐は、帰路、小歌を歌い跳び回るうち罠を見つけ、餌に引き寄せられ、変身を解きにその場を離れます。見回りに来た猟師は、罠の餌がつつかれているのを見て、本格的に罠を仕掛け隠れて待ち受けます。戻って来た狐は罠にかかりますが、猟師と渡り合ううちに罠を外して、逃げていくというお話です。

あらすじを聞くだけで面白そうでしょう。わかっちゃいるけどやめられないという理性と本能のせめぎ合いを見ることができます。狂言は基本的には喜劇ですから、それぞれが持つ業の滑稽さを楽しむことができるのです。また、人間から見た世界と狐から見た世界が異なることも教えてくれます。最近では人間を襲った熊が駆除されていますが、熊の側から見れば、「釣狐」のような心境なのかもしれません。

万作さんの映画「六つの顔」に話を戻しましょう。「六つの顔」とは、少年万作、初世萬斎、弟万之介、父万蔵、猿、そして狐を指すそうです。芸歴90年のキャリアを持ち、今も現役の万作さんのドキュメンタリーを観てみたい。そうだ!今週末に泊まりがけで名古屋に研修に行く予定なので、研修が終わってから観に行ってみよう!今からワクワクしています。

みなさんもお近くの映画館で「六つの顔」が上映される際には、足を運んでみてはいかがでしょうか。あまり上映館は多くなさそうですが(笑)。

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